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米Abbott(アボット)は2022年1月6日(米国時間)、テクノロジー見本市「CES 2022」で、一般消費者向けの新しいバイオウエアラブル「Lingo」を開発していると発表した。体内のグルコースやケトン、乳酸などを測定することで、運動トレーニングや体重減量、体調管理などに活用してもらう。
アボットが糖尿病患者向けに実用化した医療機器のセンシング技術を応用する。糖尿病患者向けのものは、上腕に貼った低侵襲のセンサーが表皮の近傍にある間質液中のグルコース値を毎分測定する。アボットは同センサーの技術を生かし、2020年に欧州でアスリート向けにグルコースを測定するバイオウエアラブルを発売。測定データはスマホで確認できる。世界記録保持者で、2021年開催の東京オリンピック男子マラソンでも優勝したエリウド・キプチョゲ氏もトレーニングで利用しているという。
Lingoはグルコース以外にも、ケトンや乳酸、アルコールを測定できるようにする。ケトンが体内で増加している様子を把握して体重の減量に役立てられるほか、運動中の乳酸の値を測定して運動能力の指標として活用できるという。「利用者による健康や栄養、競技パフォーマンスの積極的な管理を支援することで、これまでの消費者向けのウエアラブル製品を超える将来像を描いている」。CES 2022で基調講演したアボットのRobert B. Ford最高経営責任者(CEO)はこう話した。