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なぜ2台目はSUVなのか

なるほど、ソニーグループの独自技術をいかに取り入れようとしているかが分かりました。VISION-Sはプロトタイプから造り直し、何台か世代交代したということですが、どのように改善していったのですか。

川西 それぞれの領域のテストをするためです。例えばADASでのテストに使う、走行テストに使う、それを5Gのネットワーク接続のテストにも使う……と、それぞれの領域での実証を重ねてきました。ソニーが持つセンシングの技術、IT技術などをモビリティーに投入したらどうなるのかというトライをしてきました。

改めてお聞きします。VISION-Sの切り口は何ですか?

川西 2020年のCES 2020で発表しましたが1番目は「Safety」。安心安全を確保するセンシングデバイスとソフトウエアの可能性の追求です。2番目は「Adaptability」。ソフトとして進化できる、継続的なグレードアップができる環境を導入することですね。このプラットフォームがあると、時間とともに価値を付加できます。ドライバーの好みを取り入れた、乗り味などもつくっていけると思います。3番目は通信と連携した「Entertainment」、車室内のエンターテインメントをつくっていきます。この3つは実験で見通しが立ちました。それも市販検討に進んだ大きな理由ですね。

CES 2022でのソニーグループのプレスカンファレンスから
CES 2022でのソニーグループのプレスカンファレンスから
(出所:ソニーグループ)
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では、試作車について伺います。VISION-S 01がクーペスタイルのスタイリング、今回のVISION-S 02はSUV(多目的スポーツ車)です。これはどんな狙いからですか。

川西 今回、SUVにしたのは、最初に構築したEVのプラットフォームの上で、より居住性の高いSUVを造れることを検証するためです。別の言葉でいうと、上物は変わっても、同一のプラットフォームが可能かの実証です。ここでは広い室内空間を用いたエンターテインメント体験やフレキシブルな乗車定員による空間創造などを通して、ライフスタイルへの対応を見ていきます。車体構造は(2020年の発表時から)時間がたっていますから、各種、改良されていますし、今後もバージョンアップしています。このSUV、CES 2022ではデザイン的にも評価されたと認識しています。

とっても上質で、かっこいいと思います。EVのプラットフォームですから、これから商品化に当たっては、クーペ、SUVだけでなく、セダン、スポーツカーなど幅広い展開ができそうですね。

川西 はい、上側の車体は交換できるよう初めから設計してあります。EVはフロア下にバッテリーを設置しますので、車高の低い車は難しいのです。その意味ではSUVは車高が高いので、ゆとりを持って造ることができました。これからも、今持っているEVプラットフォームを生かしていきたいと思います。

ついでに商品企画もお聞きします。発売の折には、どんなクルマになりますか?

川西 それは、今は言えませんよ(笑)。

今回披露した「VISION-S 02」の俯瞰(ふかん)イメージ
今回披露した「VISION-S 02」の俯瞰(ふかん)イメージ
(出所:ソニーグループ)
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