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どこが造る、どうやって売る、サービスする

それはそうですね。でも2つの試作機は、エンドユーザーも大歓迎すると思いますよ。さて、次はビジネスモデルをお聞きします。クルマを造るとなるとどこが開発するのか、製造するのか、どうやって売るのか、どうやってサービスするのかという関門があります。まず開発ですが、家電業界では、デザインから製造まで、お任せするODM(相手先ブランドによる設計・製造)という手法があります。製造も含め、今はオーストリアMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)とお付き合いされていますね。

川西 確かに家電では、設計、開発まで外注するやり方が盛んですが、簡単に家電商品のように完全分離ができるわけではないことも認識しています。「走る・曲がる・止まる」のクルマの基本部分は協業が必要です。ここは慎重に、ある程度切り分けをしていくようなアプローチを考えていきます。2020年にVISION-Sプロジェクトを発表してから、さまざまな企業からお話をいただきました。パートナーさんもたくさんいらっしゃいますので、幅広く考えています。基本方針として、アセット(資産)はなるべくライト(軽く)にしたいと思っています。

販売ですが、基本的にはソニーストアに商品が置いてあって、そこで販売ができ、さらにネット販売するというイメージでしょうか。

川西 販売の形態まで具体的に今の段階で申し上げられないですけれど、そういう可能性は当然ありますね。いずれにせよ、一番お客さまがお求めやすい形をご提案させていただくことになるかなと思います。これだけというわけではないです。また当然アフターメンテナンスは必要になりますから、全国の整備工場と連携することになるでしょう。

競合問題はイメージセンサーとXperiaの関係に似る

BSの番組を見るとソニー損保のCMが目立ちます。グループとしてVISION-Sを推していこうみたいな動きも期待できます。

川西 われわれが今持っているエレクトロニクス、半導体、ゲーム、音楽、映像コンテンツ、金融、保険というソニーグループの事業をかなり生かせる部分は、とても多いです。ソニーグループのビジネス的には出口としては非常に良い素材だと思います。

なるほど、ソニーグループはVISION-Sを生みだし、育てるために、これまで事業を拡大してきたという言い方もできますね。さて、社内的にはそのとおりですが、社外へのセンサーなどの部品販売という点では、競合問題はどうなのでしょうか。というのも朝日新聞デジタル2022年1月7日付の日本電産・永守重信会長インタビュー記事に「モーターを納めている自動車メーカーはお客さんであり、競争しないのが原則。モーターという部品をいろんなメーカーに供給した方がシェアが取れる」という発言がありました。つまり、日本電産はEV用のモーターは力を入れるけどEV自体はやらない。なぜならモーターの最大の顧客である自動車会社と競合するからということだと思います。

川西 それはサプライヤーさんとしての立場だと思うのですけど、これまでもわれわれのスマートフォンのビジネスでいえば、最終的なお客さんに提供する商品を造っていますし、そこに搭載されているイメージセンサーも部品として販売させていただいているので、そういう意味では同じようなことだと思いますね。最終形態の商品は車のモビリティーだと考えていますので、それをエンドユーザーさんにお届けするのがメインになります。

ありがとうございました。販売開始の折には、ぜひ1号ユーザーになりたいと思います。とても期待しています。

CES 2022でのソニーグループのプレスカンファレンスから
CES 2022でのソニーグループのプレスカンファレンスから
(出所:ソニーグループ)
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