ソニーグループ(ソニーG)は2022年1月開催のテクノロジー見本市「CES 2022」で、第2弾となる電気自動車(EV)「VISION-S 02」を出展した。第1弾の発表から2年が経過し、どう進化したか。SUV(多目的スポーツ車)にした新しい試作車の中に入って体験してみると、画像センサーやクラウド連携を生かして独自性を打ち出そうとするソニーGの姿勢が浮かび上がってきた。
フロント部(ダッシュボード部)は第1弾の「VISION-S 01」を踏襲している。計器類はなく、端から端まで3つの横長のディスプレーを敷き詰めた。それらに速度計や扉の開閉といった車体の状態、エンターテインメント関連コンテンツや地図などの情報を表示する。
加えて横長ディスプレーの左右にそれぞれ1つずつ電子ミラー用のディスプレーも配置している。すなわち、フロント部で合計5つのディスプレーを備える。後部座席にも2つのディスプレーを配置しており、ソニーカーは「ディスプレーカー」と呼んでもいいくらいだ。
ソニーGは「VISION-S」の重点領域として「セーフティー(安全性)」「アダプタビリティー(適応性)」「エンターテインメント」の3つを挙げる。このうち車室内ではアダプタビリティーとエンターテインメントの2つを主に体現していた。
エンターテインメントでは、クラウド側からコンテンツを配信する。例えば映像配信サービス「BRAVIA CORE (ブラビアコア) for VISION-S」を用意する。音楽では、ユーザーの周囲360度を包み込むように音場を形成する独自技術「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」に対応した配信サービスを聴けるようにした。
ゲームでは、自宅の据え置き型ゲーム機「プレイステーション」に接続できる「リモートプレイ」に対応した。クラウド型のゲーム配信サービスにも対応する予定だという。