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 2022年1月初頭に米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2022」では、新型コロナウイルスの感染再拡大によって、大手企業を中心に、展示の中止や縮小が相次いだ。そんな状況下で気を吐いていたのが、日本や韓国の大手エレクトロニクス企業だ。これら企業のブースからは、「ウィズコロナ」時代の出展方法について試行錯誤している様子がうかがえた。

 今回のCESで、注目株となったのはソニーグループ(ソニーG)である。CESの報道機関向け発表会で、同社はSUV(多目的スポーツ車)の新しい試作電気自動車(EV)「VISION-S 02」を発表。合わせて、EVへの参入を本格的に検討するための事業会社を22年春に設立すると明かし、発表会場を大いに沸かせた。会期中は、ソニーの新しいEVをひと目見ようと多くの来場者が訪れた。ブースは例年通り、コンベンションセンターの「セントラルホール」の奥にあった。

 ソニーGのブースは、人数を絞ったり、予約制を敷いたりといった制限をかけない代わりに、出展物を限りなく絞ってスペースを確保。これにより「密」になる状況を避けていた。合わせて、人が触れるような体験型の展示を取りやめ、新型コロナの感染リスクの低減を図った。

CES 2022におけるソニーGのブース
CES 2022におけるソニーGのブース
展示物を絞ることで、来場者によってブース内が密状態にならないようにしていた。主要な展示は、自動車とドローン、宇宙、ゲームの4つ。これらテーマに関する出展物をブース四隅に配置した(撮影:日経クロステック)
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ソニーGの新しいEVの試作車両を見ようと多くの人が訪れた
ソニーGの新しいEVの試作車両を見ようと多くの人が訪れた
(撮影:日経クロステック)
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 これまでのCESであれば、新製品のテレビを中心に据えていたが、今回は、自動車とドローン、宇宙、ゲームという大きく4つのテーマの出展物をブース四隅に配置した。中央奥には発表会に利用した大型LEDディスプレー「Crystal LED」を展示し、同ディスプレーを通じてソニーGの取り組みや技術などを紹介していた。

「Crystal LED」でソニーGの取り組みを紹介
「Crystal LED」でソニーGの取り組みを紹介
写真は、スポーツ向けのトラッキング(追跡)システム「ホークアイ(Hawk-Eye)」を説明している場面。試合のライブ映像から選手やボールなどの物体の動きを捉えて、それらのデータを基にしてプレー内容を仮想的に再現できるという(撮影:日経クロステック)
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 自動車では、今回のSUVの試作車両と、初代試作車両「VISION-S 01」を展示。開幕日には、開発者自らが説明にあたっていた。ドローンでは、ソニーGが初めて開発を手掛けたマルチコプター型ドローン「Airpeak S1」を出展。米国で販売を始めたものの、CES 2022のような大型展示会での展示は初だという。構成する主要部品なども出展し、技術力をアピールしていた。

ドローン「Airpeak S1」を出展
ドローン「Airpeak S1」を出展
(撮影:日経クロステック)
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「Airpeak S1」の構成部材も出展
「Airpeak S1」の構成部材も出展
(撮影:日経クロステック)
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 宇宙関係では、東京大学やJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共に開発を進めているプロジェクト「STAR SPHERE(スタースフィア)」を紹介。同プロジェクトで22年10~12月ごろの打ち上げを目指している超小型人工衛星のモックアップを展示した。これには、ソニーの4Kカメラを搭載する予定で、ユーザーが意図したカメラワークで地球や宇宙などを撮影できるようになるという。

「STARSPHERE」で打ち上げ予定の超小型人工衛星のモックアップ
「STARSPHERE」で打ち上げ予定の超小型人工衛星のモックアップ
(撮影:日経クロステック)
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