日時を設定しいよいよWeb会議、というときに限ってトラブルが起きがち。パソコンに再起動がかかったり、Web会議ツールが起動しない、起動してもマイクやカメラが動かなかったりといった具合だ。会議が始まってからパソコンを再起動して全員の時間を数分無駄にするという光景をよく見る。
ほかにも、パソコンの性能が低く、映像や音声がカクカクと飛んでしまいカメラをオフにする人がいる。これも複数人で会議していると、微妙に空気が悪くなる。当の本人はほかの人の顔が見えるので違和感に気付きにくいのも残念。
しかし、顧客へのプレゼンテーションや役員への報告など、絶対に失敗できないWeb会議もある。そんなときに使ってみたいのが、シスコシステムズのWeb会議専用端末「Cisco Webex Desk Pro」だ。
ディスプレイとマイク、カメラがセットになったデバイスで、Web会議ツール「Webex Meetings」を提供するシスコの製品なので安心感はある。ただ本体の標準価格は100万円を超えていて、実勢価格はそれよりも低いがかなり高価だ(価格は代理店に確認する必要がある)。
Webex Desk Proを使ったら、Web会議はどれほど快適になるのか。Webex以外のWeb会議ツールで使えるのか。レビューしてみた。
大型ディスプレイで迫力満点
Webex Desk Proは27インチの4Kディスプレイで、人の顔がリアルな大きさで表示できる。カメラは4Kで高画質。OSは一般的なパソコンと異なり、Cisco Webex Room OSを搭載する。スピーカーは左右と中央、そしてデュアルウーファーを備えており、本体サイズは幅63×高さ51×奥行き7.5cm、重量は11.6kgとどっしりとしている。
ユーザーインターフェース(UI)が充実しており、ネットワーク機能はイーサネットスイッチを2つ内蔵。Wi-Fiも利用できる。入出力用のHDMIに加え、USB-C DisplayPort Alternate Modeに対応、ヘッドホン端子やUSB端子を備える。電力は最大200WでACアダプターは巨大。据え置きで利用するのが基本だ。
電源をつなぐと起動するので、画面をタッチしてログインし、ネットワークの設定を行う。UIは大画面のタッチ操作に最適化しており、難しい項目もないので、迷わず設定できるだろう。準備が終われば、いつでもWebex Meetingsで会議に参加できるようになる。
27インチディスプレイにWeb会議を全画面表示すると迫力満点。リアルで対面しているような感覚で会話できる。スピーカーの音質がいいのも快適だ。
カメラの解像度は高く、画角は広い。会議室で複数人が映るならぴったりだが、個人だと思いっきり背景が映るので気になるかもしれない。そんなときは「カメラビューの調整」で拡大表示できる。バーチャル背景機能も備えているので、自分のサムネイルをタップし「背景の変更」で任意の画像を背景に表示することも可能だ。
「BestOverView」をオンにすれば、自分が姿勢を直したり、立ち上がったときに顔を上下に追尾したりしてくれる。とはいえ、そこまでリアルタイムではないし「BestOverView」をオンにすると拡大表示が解除されてしまうので、あまり便利には感じなかった。