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 ソニーグループにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の中核がデータ活用だ。グループ横断のデータ利活用プラットフォームである「Sony Data Ocean(SDO)」の構築と並行し、各事業単位でもデータを活用したビジネス変革を進めている。中でもひときわ目を引くのが、映画や音楽などエンターテインメント事業の取り組みだ。

 米国で2021年10月1日に劇場公開された「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」。スパイダーマン映画の派生作で、ジャーナリストのエディ(トム・ハーディ)と彼に地球外生命体が寄生して誕生した「ヴェノム」が、連続殺人鬼の肉体を借りた巨悪と戦うストーリーだ。

世界興行収入が5億ドルを超えた「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
世界興行収入が5億ドルを超えた「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
CAPTIONS:Venom in Columbia Pictures' VENOM:LET THERE BE CARNAGE. PHOTO BY:Courtesy of Sony Pictures COPYRIGHT:©2021 CTMG, Inc. All rights reserved.
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 2018年に公開し、大ヒットした「ヴェノム」の続編で、期待値は高かったものの、新型コロナウイルス禍の悪影響は避けられない情勢だった。このため、2021年秋まで劇場公開を延期してきた。にもかかわらず、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)はいまだ逆風が吹くこの時期に劇場公開に踏み切った。

 SPEがこの時期の劇場公開を決めたのには、知られざる理由があった。「SPIDR(スパイダー、Sony Pictures Integrated Digital Reporting)」と呼ばれる「頭脳」の存在だ。AI(人工知能)を活用したこのシステムにより、劇場公開前に映画の興行収入を予測した。「SPIDRによる予測が劇場公開に自信を持って踏み切った1つの大きな要因だった」(ソニーG)。