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今回は、Rustで書いたアプリケーションを実際に動かして、Rustを使う楽しさを体感してみよう。例題に選んだのは「コラッツ予想」という数学の問題だ。
コラッツ予想は、いまだに解決されていない不思議な問題である。任意の正の整数nに次のルールの操作を繰り返すことで、どんな整数であっても必ず最後には1になる、というものだ。
- n が偶数の場合には、nを2で割る
- n が奇数の場合には、nに3をかけて1を足す
例えば6という整数を例にとると、次のように計算が進んでいく。今回はこうした計算をRustで再現してみる。
- 6は偶数なので、2で割る→3
- 3は奇数なので、3をかけて1を足す→10
- 10は偶数なので、2で割る→5
- 5は奇数なので、3をかけて1を足す→16
- 16は偶数なので、2で割る→8
- 8は偶数なので、2で割る→4
- 4は偶数なので、2で割る→2
- 2は偶数なので、2で割る→1
Rustとプロジェクトをセットアップしよう
Rustのセットアップ
筆者はMacを使っており、次のような環境になっている。
環境としてMacやLinux、その他のUnix系OSを使っている場合は、次のコマンドをターミナルで実行することで、Rustを始めるために必要な道具がすべてそろった状態になる。
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
Windowsを使っている場合は、Rustの公式サイトの指示に従ってインストールする。
関連リンク: Rust公式サイトのインストールページ準備ができたら次のコマンドを実行してみよう。rustcはRustのコンパイラーだ。これでコンパイラーのバージョンが表示される。
$ rustc --version
今回の記事では、筆者は「rustc 1.58.1 (db9d1b20b 2022-01-20)」というバージョンのコンパイラーを使っている。