COBOLは、ITシステムの黎明(れいめい)期を支えた言語である。COBOLがどのように使われてきたかを知ることは、今のエンジニアにとっても有用なはずだ。COBOLをテーマにITシステムの「温故知新」を考える。

COBOL温故知新
目次
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「真のCOBOL温故知新」とは?原点に返ってシステムの正しい姿を取り戻す
2022年の1年間、COBOLの誕生から拡大、そして現在の課題について解説してきた。最終回の今回は、COBOLの利用者が今後、何に取り組むべきか、すなわち「真のCOBOL温故知新」について考えていきたい。
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巨大な敵「ラスボスCOBOL」にチームで立ち向かう、ベンダーは敵か味方か
レガシーシステムを抱えるユーザー企業にとって、自社のIT予算やシステム要員の50%以上を費やしているシステムは、いわば「ラスボス」である。ラスボスの移行は、1社単独のソリューションでは対応できず、それぞれの専門性を持つベンダーによるエコシステム構築が重要になる。
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もはや歴史的役割を終えたCOBOLシステム、「終活」はいかにすべきか
メインフレームの終わりが見えてきたことで、COBOLからの脱却や移行が急務になってきた。こうした「終活」について解説していこう。
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レガシーCOBOLのクラウド移行、間違いなく成功する方法を教えよう
オンプレミスサーバーのCOBOLシステムをクラウドに移行したいという相談が増えている。今回は、メインフレームやオンプレミスサーバーで稼働していたCOBOLシステムのクラウドシフトが加速する中で、COBOLユーザーが注意すべきポイントを解説する。
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締め切り迫る「夏休みの宿題」レガシーCOBOLの刷新、成功させる秘訣とは
開発されてから20年以上経過したCOBOLシステムは、その根幹の業務仕様や設計思想がわからなくなり、ブラックボックス化が進むことでますます手が付けられなくなる。今回は、このようにレガシー化したCOBOLシステムを再生させる方法について解説する。
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昭和のヒーローであるCOBOLは「シン・コボル」に生まれ変われるか
「シン・ゴジラ」などいくつかの映画が公開されている。「シン」は「新」「真」「神」といくつかの意味を持つとされている。そこで今回は、これら3つの観点で「シン・コボル」のあり方について考えてみよう。
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日本にしかない「2025年の崖」、アジアのCOBOL人材を活用しよう
経済産業省が公開している「DXレポート」は、「2025年の崖」について警鐘を鳴らしている。しかし、「2025年の崖」というキーワードは実は日本でしか使われていない。今回はフィリピン、中国、韓国のアジア3カ国のCOBOL事情を解説しよう。
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膨張の果てに赤色巨星化し寿命を終えるCOBOL、巻き込まれないためには?
COBOLプログラムの急速な増殖は、COBOLシステムが支える業務そのものに対する投資の結果ではなく、その場しのぎの改修を繰り返した結果といえる。太陽が膨張を続け赤色巨星となり、やがて生涯を終えるように、COBOLの膨張はその役割を終える前兆のように感じている。
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イノベーションを阻害するCOBOL的思考の呪縛を解き、若手を呼び込むには
現存する多くのレガシーCOBOLシステムは、COBOL的思考の呪縛にとらわれている。それを解き、若手エンジニアを呼び込むにはどうすればいいだろうか。
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なぜ大量のCOBOLシステムが刷新されないか、コード自動生成が生む闇
新システムに刷新したくてもできない「塩漬けシステム」は、1980年代後半から1990年代前半にかけてのバブル時代に構築されたメインフレーム上のシステムが多い。それらが生まれた原因の1つが、ソースコードを自動生成するCASEツールである。
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豊富なCOBOLのノウハウが皮肉にもレガシー温存を生んだ日本
日本は独自のCOBOL文化を育ててきた。そうした文化を考察し、レガシー化したシステムからいかに脱却を図るべきかを解説する。
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COBOLはいかにして生まれ、人気を集め、そして嫌われるようになったのか
企業の基幹業務を数十年にわたって支えてきたCOBOLは、レガシーシステムとして扱われがちである。一方で、IT予算の半分以上を占める「守りのIT」のコスト削減と、将来に向けての「攻めのIT」へのシフトなくしては、デジタルトランスフォーメーション(DX)は成功しない。