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 カナダの情報管理ソフト会社であるオープンテキストは2022年8月末、英マイクロフォーカスを買収すると発表した。マイクロフォーカスの事業を安定化させ、クラウドへの移行を加速することが狙いだという。マイクロフォーカスは、世界最大のオープン環境用COBOLベンダーである。

 2022年6月には米アマゾン・ウエブ・サービス(AWS)が、レガシーシステムのクラウド移行支援サービス「AWS Mainframe Modernization」を正式リリースした。こうした動きから、COBOLシステムのメインフレームからクラウドへの移行はさらに加速しそうだ。

 日本は、世界の中でもCOBOL製品の選択肢の幅が広いCOBOL大国の1つだ。国産メインフレームメーカーは、ユーザー企業のオープン化を支援するために20年以上前から自社サーバーと共にCOBOL製品を提供してきた。ところが富士通がSolarisサーバーの販売を2029年度で終了するといった動きも出てきている。

 筆者のもとには、オンプレミスサーバーのCOBOLシステムをクラウドに移行したいという相談が増えている。今回は、メインフレームやオンプレミスサーバーで稼働していたCOBOLシステムのクラウドシフトが加速する中で、COBOLユーザーが注意すべきポイントを解説する。

クラウド移行の落とし穴、COBOLとUTF-8は相性が悪い

 今やパソコンやスマートフォンもクラウドサービスの利用が当たり前になった。データはローカル環境よりもインターネットのクラウドストレージに保存する機会が増えた。しかし、クラウドは便利だが思わぬ落とし穴もある。その最たるものが「文字化け」だ。

 クラウドでの文字化けは、テキストファイルを「UTF-8」以外の「Shift-JIS」などの文字コードで保存したことが原因になっていることが多い。ほとんどのクラウドはUTF-8が標準になっているためだ。

 COBOLもUTF-8を利用できるように仕様が拡張されてきた。だが一般のCOBOLシステムで文字コードにUTF-8を採用しているケースはほとんどない。COBOLとUTF-8は相性が悪いためだ。

 メインフレーム時代に記述されたCOBOLプログラムは、英数字は1バイト、日本語は2バイトの長さを前提にコーディングされている。文字の長さを変えてしまうと広範囲に影響が出て修正対応は困難だ。ところが、UTF-8では日本語を3バイトで表現することが多い。COBOLシステムのクラウド移行を考える際には、使用している文字コードや、文字の長さ変更による影響を受けやすい部分参照や再定義などの利用状況を把握する必要がある。