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 企業が持つデータを経営資産として管理し、最大限に活用することはデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で最も大切なポイントです。しかしながら、現実には、データの種類や形式が多様化していることに加え、データベース、データウエアハウス(DWH)、クラウドストレージなどにデータが分散しています。一元的に管理して活用するのは困難な状況です。

 DX時代を生き抜くためには、全社的にデータ活用を促進するための環境整備が必要です。そこで登場するのがデータカタログです。データカタログとは、一言で言うと「欲しいデータを探すための仕組み」です。データの活用方法を考えるためには、その大前提として、どこにどんなデータがあるのかをすぐに検索できる仕組みが必要です。データカタログとは、データの所在、データ内容に関する説明、作成日時など、データについての情報を蓄積して、容易に検索できるようにしているシステムのことです。

情報を蓄積し、容易に検索
情報を蓄積し、容易に検索
図 データカタログの概要
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 IT部門の担当者であれば、どこにどのようなデータがあるのか、設計書を見れば分かるかもしれません。しかし、新たに製品の開発や営業の手法を考える際、一般的に主体となって動くのは企画部門、マーケティング部門、営業部門のように、ITが専門ではない担当者が出発点となります。つまり、DXを推し進める企業においては、非IT部門の人々に対して、どこにどのようなデータがあるのかを示す必要があります。