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 「製造業DXカンファレンス2022」(主催:日経BP、2022年1月26~28日、東京ビッグサイト)の基調講演に、富士フイルムビジネスイノベーション モノ作り本部モノ作り革新部部長の吉野直人氏が登壇。「富士フイルムビジネスイノベーションにおける開発生産プロセス改革(開発生産DX)」と題し、同社における3Dデータの徹底活用による開発生産プロセス改革について、背景や成果、今後の計画について、改革の旗振り役を担う同氏が語った。

富士フイルムビジネスイノベーション モノ作り本部 モノ作り革新部 部長 吉野直人氏
富士フイルムビジネスイノベーション モノ作り本部 モノ作り革新部 部長 吉野直人氏
(出所:日経クロステック)
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 同社の設計開発ではかつて、本出図後の手戻りに悩まされており、それが開発期間短縮のネックになっていたという。そこで、3D-CADによる設計データ活用に本腰を入れ、設計部門と生産部門と連携して設計初期の段階での品質作り込みに取り組んだ。いわゆるフロントローディングだ。その結果、手戻りの大幅削減に成功した。

 この改革で目指したのは、従来のように、生産からの指摘を受けて設計に対応する「チェック型」から、設計と生産がデータ共有して連携することでものづくりを考慮しながら設計の作り込みを行う「寄り添い型」へシフトだ。具体的には、吉野氏が指揮した「量産設計フロントローディング改革」では、「金型部品立ち上げ」「コストの作り込み」「組み立て品質向上」の3テーマの課題に取り組んだ。