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 IDECはモーターや安全に走行する機能を内蔵した車輪を2022年4月から日本で販売する。自動的に走行・搬送するロボット向けで、産業用パソコンや車体を組み合わせて使う。走行に必要な機能の多くが車輪に一体化されているため、自動搬送ロボットの開発時間を約5割削減でき、コストも3~5割減らせる見通しだ。

IDECが販売する駆動制御と安全機能を備えた車輪を使ったAMRの試作品
IDECが販売する駆動制御と安全機能を備えた車輪を使ったAMRの試作品
(出所:日経クロステック)
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 製品名は「Safety Wheel Drive(安全自律走行ホイール)」。同年1月24日にIDECと戦略的パートナーシップを締結した、フランスのスタートアップ企業ez-Wheelが開発した製品だ。パートナーシップにより、IDECは自社のファクトリーオートメーション(FA)の知見などを共有するとともに、国内でez-Wheelの製品を販売する。

 Safety Wheel Driveは、無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)向けの製品。自律走行に必要な駆動制御と、人と同じエリアで運行することにも配慮した安全機能を備える。具体的にはモーターとモータードライバー、減速機、安全モーション回路、機能安全用のエンコーダーから成り、機種によって電池やホイールも加わる*。「世界を見渡しても類似品はない」(IDEC担当者)というユニークな製品だ。

* 駆動制御と安全機能の基本機能を備えた「Safety wheel drive Core」と電池やホイールも備えた「Safety wheel drive 150」の2機種を販売予定。
Safety Wheel Driveの構造
Safety Wheel Driveの構造
電池なども一体化したSafety wheel drive 150の構造。(出所:IDEC)
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自動搬送ロボットを簡単にカスタマイズ

 同じ機能を実現する従来の装置群と比べて、大きさを4分の1から5分の1にコンパクトにしたのも特徴。走行時の速度と方向を検知するセンサーや、磁気センサーなど、従来はばらばらに配置していたセンサー類を1枚の回路基板に集約するなどの工夫を施した。

 走行に必要な基本機能を小型化したため、AGVやAMRの大きさ(幅、奥行き、高さ)を柔軟に設計できる。例えば、狭い通路がある場合、その広さに合わせたAMRを簡単に造れる。「自動車関連メーカーなどでAGVやAMRをカスタマイズしたいというニーズ」(IDEC担当者)があり、そうした需要を狙う。

Safety Wheel Driveを使った自動搬送ロボットを上から見た様子
Safety Wheel Driveを使った自動搬送ロボットを上から見た様子
シンプルな構造で、車輪に産業用PC、車体、電池などを組み合わせるだけで自動搬送ロボットを構築できる。(出所:日経クロステック)
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 Safety Wheel Driveは1つ当たり20万~30万円程度。1台の自動搬送ロボットに2つのSafety Wheel Driveを取り付ける想定だ。同じ機能を持つ一般的な装置群と比較するとコストを3~5割削減できると見込む。