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約6年ぶりのWindows新版「Windows 11」が登場した。Linuxとの連携が強化されているのが特徴だ。Windows 11で具体的にLinuxをどう生かしていくかを解説する。

 Windows 11では、Windowsの中でLinuxを動かす「WSL(Windows Subsystem for Linux)」に新機能や変更が加わっています。そうした変更点を解説していきましょう。

インストールが簡単に

 Windows 11のWSLに関して変わった点として、まずインストールが以前と比べて簡単になったことが挙げられます。

 少し前までは、Windows 10でWSLをインストールして使えるようにするには、システム設定の「Windowsの機能の有効化または無効化」からWSLと仮想マシンプラットフォームを有効にしたり、WSL用のLinuxカーネルをインストールしたり、WSL2をデフォルトにしたり、ディストリビューションをインストールしたりと、何段階もの手順が必要でした。

 これに対してWindows 11(あるいは2020年5月リリースのWindows 10バージョン2004以降)では、WSLを実行するためのwslコマンドが最初から利用でき、そのwslコマンドから一発でWSLをインストールできるようになりました。

コマンド一発でインストール

 実際にWindows 11にWSLをインストールしてみましょう。前提として、WSL2を使うにはCPUの仮想化支援機能が必要です。PCによっては仮想化支援機能がUEFI/BIOSの初期状態でオフになっていることもあるので、オンになっていることを確認してください。

 WSLのインストールには、コマンドプロンプトやPowerShellを管理者権限で起動します。

 まず、wslコマンドからインストールできるWSL用Linuxディストリビューションを調べます。それには「wsl -l -o」(または「wsl --list --online」)を実行します(図1)。

図1 WSL用ディストリビューションの一覧を表示
図1 WSL用ディストリビューションの一覧を表示
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 表示された一覧のうち、左端に「*」が付いているのがデフォルトのディストリビューションです。これらをインストールするには次のようにコマンドを実行します。ディストリビューションを指定しなければ、一覧で「*」が付いたデフォルトのディストリビューション(Ubuntu)がインストールされます。ディストリビューションを指定するには「-d」オプションを用います。

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 これにより、仮想マシンプラットフォーム、WSL、WSL用Linuxカーネル、GUIアプリサポート、Linuxディストリビューションが順にインストールされます(図2)。デフォルトのWSLバージョンはWSL2です。

図2 wslコマンドからWSLをインストール
図2 wslコマンドからWSLをインストール
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 なお、上記「wsl --install」は、WSLをインストールするときだけでなく、後からLinuxディストリビューションをインストールするときにも使います。

 インストールの最後で再起動するようにメッセージが表示されるので再起動しましょう。すると、自動的にデスクトップにコマンドプロンプトが表示されLinuxディストリビューションが起動します(図3)。この初回起動時には、Linuxの新規ユーザー名とパスワードの登録が求められるので設定してください*1。これでインストール作業は完了です。

*1 このユーザー名とパスワードはWindowsのユーザーと無関係なので任意の名前を付けて構いません。
図3 再起動してディストリビューションを初期化
図3 再起動してディストリビューションを初期化
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 WSLは、コマンドプロンプトやPowerShellからwslコマンドで起動できますが、Windows 11はWindows Terminalを標準搭載しているのでここから呼び出すのが便利です(図4)。

図4 Windows Terminalが最初からインストールされている
図4 Windows Terminalが最初からインストールされている
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