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 Officeには、Webブラウザーで利用するWeb版もある。通信環境さえあれば、Windows、macOS、iOS/iPadOS、Androidなど、基本的にはどのOSでも使える。

 Web版では、Excel、Word、PowerPointといった主要なアプリがそろう。クラウドストレージのOneDriveを利用することで、デスクトップ版Officeで作成したファイルも閲覧・編集できる。2021やM365との文書共有も可能なので、デスクトップ版が最新バージョンではないパソコンでも役立つだろう。

 なお、Web版が最初に登場したのは2010年。「Office Online」という名前だったが、2019年ごろからは「Office on the web」などの呼び方が一般的だ。

 Microsoftアカウントでサインインすれば無料で使えるが、M365または買い切り方式のOfficeライセンスがないと商用での利用はできないので注意しよう。そのほか、Web版はOneDriveに保存したファイルのみが対象。Office 2003以前のバージョンのファイルでも開くことはできるが、保存時に最新のファイル形式に変更される。

進化するWeb版の機能

 登場したばかりの頃のWeb版は、Wordで図形の挿入ができないなど、機能面でデスクトップ版よりかなり劣っていた。しかし、順次機能が強化され、今ではデスクトップ版に近いレベルまで充実してきた(図1)。メニューのリボンを「クラシックリボン」に切り替えれば、デスクトップ版に近い表示になる(図2)。

Web版Officeの画面はデスクトップ版に近い外観に
Web版Officeの画面はデスクトップ版に近い外観に
図1 Web版PowerPoint(左)とデスクトップ版PowerPoint(右)の画面。ほぼ同じ外観で、プレゼンテーションの作成や編集はおおむね同様に作業できる
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Web版のリボンはレイアウトを選べる
Web版のリボンはレイアウトを選べる
図2 Web版では簡略化した「シンプルリボン」が標準だが、デスクトップ版のような「クラシックリボン」にも切り替えられる
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 とはいえ、やはり機能差はある。クラシックリボンのWeb版とデスクトップ版を比較すると、機能の数や種類はデスクトップ版の方が多い(図3)。そのため、デスクトップ版で作成した文書をWeb版で開くと、フォントや装飾機能の差によって、体裁が変わることもある(図4)。デスクトップ版で作ったファイルをWeb版でプレゼンするなどの場合は、事前に十分な確認が必要だろう。

フォントや装飾の選択肢はデスクトップ版が豊富
フォントや装飾の選択肢はデスクトップ版が豊富
図3 クラシックリボンのWeb版とデスクトップ版で、Wordの「ホーム」タブを比較した。機能の有無で細部に違いがある
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図4 同じ文書をWeb版Word(左)とデスクトップ版Word(右)で開いた例。使っている装飾機能などによって、表示に違いが生じる場合がある
図4 同じ文書をWeb版Word(左)とデスクトップ版Word(右)で開いた例。使っている装飾機能などによって、表示に違いが生じる場合がある
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