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ヤフーがサービス提供を中止

 EUやNATOなどに比べて普段見聞きすることが少ない欧州経済領域がなぜ急に脚光を浴びたのか。それは、ヤフー(Yahoo! JAPAN)が2月1日に、欧州経済領域と英国で検索エンジンや「ヤフーニュース」など大半のサービスを中止すると発表したのが契機だ。これらの国々に滞在する日本人や日本企業関係者の間に波紋が広がった。実際に4月6日から利用できなくなった。

ヤフーが欧州経済領域(EEA)と英国でサービス提供を中止するという告知
ヤフーが欧州経済領域(EEA)と英国でサービス提供を中止するという告知
(出所:ヤフーのWebサイト)
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 ヤフーはサービス中止の理由を、顧客向けには「継続的なサービス利用環境を提供することが困難であるとの判断」とだけ説明している。報道機関向けには「コストの観点で法令順守を徹底するのが難しくなった」という趣旨のコメントも出している。

 欧州経済領域では一般データ保護規則(GDPR)と呼ぶ厳しい個人情報保護ルールが適用される。違反した企業には高額な課徴金を課される。EUから脱退し欧州経済領域にも加盟していない英国はGDPRの適用外だが、GDPRに準拠したデータ保護に関する国内法があるなど、実質的に欧州経済領域と同様の規制が適用される。

 ヤフーの欧州からの利用者は全体の1%にとどまるという。ヤフーは欧州経済領域向けのサービスを継続するリスク・コストとメリットを比較して、サービス中止を選んだとみられる。まだGDPRや欧州経済領域の諸制度に関する日本企業の理解が深まっているとは言えないが、今後、ヤフーと同様の選択をする企業が増える可能性もありそうだ。

 ちなみに、欧州主要国のうち、スイスはEUにも欧州経済領域にも加盟していない。スイスでは4月6日以降もヤフーのサービスを利用できるようだ。