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Q:MACアドレスはなぜ48ビットなの?

 もともとイーサネットの仕様では、1つのLAN(セグメント)内につなげられる端末の上限は1024台となっていました。ところが、イーサネットの初期の仕様を決めた米Xerox(ゼロックス)の技術者は、MACアドレスの長さとして48ビットを選択しました。その理由はどこにあるのでしょうか。

 ゼロックスの技術者は「48-bit Absolute Internet and Ethernet Host Numbers」という論文でその背景を説明しています。この論文の中で、21世紀には自動車、電話機、白物家電、ゲーム機などにマイクロプロセッサーが搭載され、ネットワークに接続されるという見通しを示しているのです。今のIoT(Internet of Things)時代を見据えた先見の明があったといえるでしょう。その上で、32ビット長でも十分だが、多数のコンピューターメーカー(当時はまだISPが存在しませんでした)にアドレスブロックを分割すると、使われずに無駄になるアドレスが大きくなるので、48ビットを選んだとしています。

「48-bit Absolute Internet and Ethernet Host Numbers」(Yogen K. Dalal、Robert S. Printis)
「48-bit Absolute Internet and Ethernet Host Numbers」(Yogen K. Dalal、Robert S. Printis)
(出所:SIGCOMM '81: Proceedings of the seventh symposium on Data communications,October 1981,Pages 240-245)
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Q:MACアドレスはどこを見ると分かるの?

 機器に割り当てられている固有のMACアドレスは、メーカーや製品によって異なりますが、一般的にパッケージや製品のきょう体、取扱説明書に印刷されています。例えば、法人向けの製品を中心に手掛けている米NETGEAR(ネットギア)の場合、パッケージときょう体に記されています。

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ネットギアの製品に記されたMACアドレス
ネットギアの製品に記されたMACアドレス
(出所:ネットギアジャパン)
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 量販店などの店頭に並ぶコンシューマー向け製品については、別の事情があります。バッファロー 事業本部 ネットワーク開発部 内製FW第一開発課 課長の市川 剛生氏によると、「セキュリティーを考慮してパッケージにはMACアドレスを記載していない。店頭に並べておくと、購入しない第三者が撮影して悪用する可能性があるから」ということです。

 機器固有のMACアドレスは、読み出し専用のメモリーであるROM(Read Only Memory)に格納されています。実装上はEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリーが使われるケースが多いようです。「工場出荷時に、MACアドレスの後半24ビットを重複しないように生成して書き込む」(ネットギアジャパン 社長の杉田 哲也氏)とのことです。

 機器固有のMACアドレスを含め、機器が利用できるMACアドレスの一覧は、OSのネットワーク設定を見ると確認可能です。例えばWindows 10では、「設定」から確認できます。

Windows 10の「設定」でMACアドレスを表示されたところ
Windows 10の「設定」でMACアドレスを表示されたところ
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 またMACアドレスは、OSのコマンドを利用して確認することもできます。例えばWindowsでは、コマンドプロンプトで「ipconfig /all」と入力すると、MACアドレスを含む様々なネットワーク設定を表示できます。Macの場合はターミナルで「ifconfig」と入力すると、同様にMACアドレスなどを表示することができます。ネットワーク機器の場合も、Webインターフェースの設定画面やコマンドなどを使ってMACアドレスを表示可能です。