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1 トラブルの原因になるごみファイルを一掃する

 パソコンをずっと使い続けていると、動作が遅くなって不便に感じることがよくある。その最大の原因は、ディスク内に長年蓄積した“ごみ”ファイルだ。WindowsはCドライブの一部を作業領域として使うため、空き領域が減ると不調になりやすい。典型例が、定期的に実行する必要があるWindows Updateだ。Cドライブの空き領域が極端に減ると実行できなくなる(図1)。そうなる前に、不要なファイルは極力取り除こう。

空き領域の減少はトラブルのもと
空き領域の減少はトラブルのもと
図1 Cドライブの空き領域が減るとドライブアイコンのバーが青から赤に変化する(上)。Windows Updateが実行できないなど不具合が生じる場合もある(右)
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 ただ、ファイルをいくら削除しても、個々のファイルサイズが小さければ効果は薄い。そこで活用したいのが、Windows 10の設定アプリにある「ストレージセンサー」だ。実行すると、Cドライブの領域を占有している割合が高い順にフォルダーが表示される(図2)。手入れが必要な場所が簡単に分かるわけだ。

「ストレージセンサー」で空き領域を減らす元凶を探す
「ストレージセンサー」で空き領域を減らす元凶を探す
図2 不要ファイルを削除する「ストレージセンサー」機能を開くには、「設定」アプリの「システム」にある「記憶域」を選択する。ファイルの種類ごとに項目が分かれ、ストレージを占有している領域が大きい順に上から並ぶ。項目をクリックすると対象のフォルダーが表示され、フォルダーをクリックすると該当の場所がエクスプローラーで開く
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 フォルダーをクリックすると、該当の場所がエクスプローラーで開く。その際、表示方法を「詳細設定」にして「サイズ」欄をクリックすると、ファイルがサイズ順に並ぶ。さらに、「サイズ」欄にある矢印をクリックして、表示するファイルのサイズ範囲を指定すれば、大きなファイルをより簡単に探せる(図3)。

図3 エクスプローラーの画面で上記のように操作すると、指定した範囲のファイルサイズに該当するファイルを抽出できる。大きなファイルを探しやすくなる
図3 エクスプローラーの画面で上記のように操作すると、指定した範囲のファイルサイズに該当するファイルを抽出できる。大きなファイルを探しやすくなる
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 不要ファイルの中には、アプリが作成する一時ファイルやデバイスドライバーといったシステムに関連するファイルもある。ストレージセンサーで「一時ファイル」を開くと、こうしたユーザーが手を出しにくいファイルを削除できる(図4左上)。実は、従来の「システムファイルのクリーンアップ」(図4右上)とほぼ同等の機能だが、項目が少し増えており、若干の効果アップが見込める。基本的にはどの項目を削除してもWindowsの動作に大きな支障はない。環境にもよるが、高い効果が見込めるのはエラー時の発生状況を記述した「ダンプファイル」やアプリが作成した「一時ファイル」などだ(図4下)。「デバイスドライバーパッケージ」は、削除すると不調時に元に戻せなくなるので、更新直後の削除は避けよう。

システムファイルや一時ファイルの削除も空き領域増加に効果あり
システムファイルや一時ファイルの削除も空き領域増加に効果あり
図4 図2の画面で「一時ファイル」をクリックすると、システムファイルやアプリが生成するファイルなどを削除できる(左上)。従来の「システムファイルのクリーンアップ」(右上)とほぼ同等の機能だが、ストレージセンサーの方がやや効果は高い。ダンプファイルや一時ファイルなどは、空き領域を増やせる見込みが高い項目だ(下)
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