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1 標準機能を使ったリカバリーを実行する

 どんなに手を尽くしても、深刻な不調だと回復が見込めないことがある。そこで最後の手段がWindowsの初期化(リカバリー)機能だ。

 Windows 10には「このPCを初期状態に戻す」というリカバリー機能が標準で備わっている(図1図2)。初期化方法は、「個人用ファイルを保持する」と「すべて削除する」の2通りから選ぶ(図3)。それぞれの方式の違いは、既存の環境を新しい環境にどれだけ引き継げるか、という点にある。例えば、「個人用ファイルを保持する」を選択すると、ユーザーが作成したファイルや設定などを残しつつ、OSのみ初期化できる。比較的気軽に復旧できるのが利点だ。一方、「すべて削除する」を選ぶと、ほぼ全てのファイルが初期化される。環境を一から構築したい場合に向く。ここでは、使える状態に戻れる時間の短さを考慮して「個人用ファイルを保持する」を取り上げる。図4で「クラウドからのダウンロード」を選ぶと、復元時に最新の更新プログラムが適用される。

一部のアプリや設定を残した初期化が可能
一部のアプリや設定を残した初期化が可能
図1 「このPCを初期状態に戻す」を実行するには、「設定」アプリを起動して「更新とセキュリティ」にある「回復」を開き、「開始する」ボタンをクリックする
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図2 Windows 10のリカバリー機能「このPCを初期状態に戻す」を実行すると、一部のアプリや設定を残しながら、Windowsのみ初期化できる
図2 Windows 10のリカバリー機能「このPCを初期状態に戻す」を実行すると、一部のアプリや設定を残しながら、Windowsのみ初期化できる
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初期化方法は2通りから選ぶ
初期化方法は2通りから選ぶ
図3 アプリや設定を残して初期化するには「個人用ファイルを保持する」を選ぶ。Wi-Fiの接続設定やEdgeのブックマーク、アカウント情報やWindows Helloの生体認証情報なども保存され、初期化後に復元される。「すべて削除する」はクリーンインストールとほぼ変わらない。本特集では「個人用ファイルを保持する」を選んだ前提で解説する
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最新の状態で使うならクラウドインストール
最新の状態で使うならクラウドインストール
図4 Windowsセットアッププログラムの実行方法を選ぶ。違いは初期化完了時の更新プログラム適用状況。「クラウドからダウンロード」を選ぶと更新の手間を省ける
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