全3791文字

 2021年10月に社名変更を発表し、メタバースブームを加速させた米Meta Platforms(メタプラットフォームズ)。日本法人であるFacebook Japanの味沢将宏代表取締役に、社名変更の狙いや同社の目指すメタバースやソーシャルメディア事業の戦略を聞いた。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、西原 愛=日経クロステック/日経コンピュータ)

味沢 将宏(あじさわ・まさひろ)氏
味沢 将宏(あじさわ・まさひろ)氏
2000年、オグルヴィ・アンド・メイザージャパン入社。2008年、日本マイクロソフト入社、パソコンおよびモバイルディスプレー広告事業を統括。2012年、Twitter Japan入社。2016年11月、同社上級執行役員広告事業担当本部長および日本・東アジア地域事業開発担当本部長。2020年1月、Facebook Japan代表取締役(現職)。(写真:村田 和聡)
[画像のクリックで拡大表示]

2021年10月、マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)がMeta(メタ)への社名変更を発表しました。改めて社名変更の狙いを聞かせてください。

 社名変更については社内でかなり前からディスカッションしていました。創業してから18年、もともとのサービスは「Facebook」だけでしたが、この10年で「Instagram」や「WhatsApp Messenger」といったサービスに加え、B to B(企業間取引)向けサービス、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、AI(人工知能)、機械学習のプロダクトも増えてきました。

 幅広いポートフォリオでビジネスをやっているのに、(社名が)1つのサービスの名前でいいのかという議論をしてきた中で、メタバースの構築を長期的なビジョンとして掲げて、そこに合う形でコーポレートブランディングを刷新したのです。

将来的なビジョンを社名にするのは非常に珍しいのでは。新社名にはFacebookなど既存サービスの概念も含めているのでしょうか。

 新社名には当社サービスの全ての概念を含んでいます。我々はメタバースについて、1つのプラットフォームやアプリケーションを指すのではなく、新たな「ソーシャルエクスペリエンス」を提供するものになっていくだろうと考えています。具体的な形としては、コンピューティングプラットフォームになるでしょう。もともとデスクトップパソコンが主流だった世界がモバイルになり、次にメタバースになっていくという具合です。

 高い没入感を備えた3次元の仮想世界で、アプリケーション、プラットフォーム同士を相互に行き来できる相互運用性があるような世界を考えています。当然ながら我々だけでなく、みんなとつくり上げる必要がまずあります。

 既存のサービスがメタバースと言えるわけではなく、FacebookやInstagramなどの上に開発していく新たな機能やサービスがメタバースの方向に向かっていく。今までのプロダクトをある日捨てて何か違うものが登場するというよりは、今まであったソーシャル体験の上に継続してつくっていく形を考えています。

そうした事業の方向性も以前から検討を続けていたと思いますが、社名変更のタイミングはどうして今になったんでしょうか。