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 せっかく「iPad」を持ち歩くのだから、大きな画面と高性能なカメラを生かして写真の撮影や編集も楽しみたい。「iPhone」の代わりにもなる使い方を紹介しよう。

iPhoneゆずりのカメラ性能

 iPadはタブレットの中でもカメラの性能に定評がある。実際、安価な「iPad」以外のモデルは、背面に画素数1200万、絞り値f/1.8といったiPhoneに迫るスペックのカメラを搭載している(図1)。これは多くのユーザーに根強い人気の「iPhone SE(第2世代)」とほぼ同じだ。

●iPhoneに引けを取らないiPadのカメラ
●iPhoneに引けを取らないiPadのカメラ
図1 iPadに搭載されているカメラのスペックを並べて比較すると共通点が多い。iPadは、タブレット製品の中ではカメラの性能が比較的高めだ
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 前面カメラも、2021年以降に登場したモデルは1200万画素の超広角カメラを搭載し、「センターフレーム」と呼ばれる機能に対応している。テレワークや遠隔授業などで前面カメラを使用する際に活躍する機能だ。超広角で捉えた映像を、カメラの前にいる人物を中心に広角カメラ相当の画角で切り出し、レンズのゆがみを修正した形で撮影。動く人物に合わせて切り出す部分も追従するので、人物がフレームから外れることなく会話できる。

 2022年1月時点では、2020年に発売された「iPad Air」のみセンターフレームに対応していない。しかし、人の顔を明るく捉え、肌の色などを補正する機能は以前から搭載されており、オンライン会議でも表情を詳細に伝えられる。

写真撮影の基本を押さえる

 iPad標準の「カメラ」アプリは、各機能を呼び出すボタンの配置が若干異なるものの、使い方はiPhone標準のカメラアプリとほとんど同じ(図2)。縦横どちら向きでも両手でiPad本体を支え、右手の親指で機能を選択してシャッターを切るようなボタン配置になっている。撮影中にズームの倍率を変更する際は左手の親指を使って安定した操作ができる。

●大画面で確認しながら写真が撮れる
●大画面で確認しながら写真が撮れる
図2 横持ち縦持ちともに、両手でしっかり本体を持った状態でシャッターを切ったり、モードの変更やズームなどができたりするようボタンが配置されている
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 大きな画面で確認しながら撮影できる点、画面の縦横比がほぼ4:3と撮影される写真に近い点がiPadのメリットだ。ディスプレイの最大輝度が500ニト(「iPadPro」は600ニト)と明るいので、撮影した写真を屋外でもはっきりと確認できる。プロカメラマンが一眼レフで撮影した写真を確認する際にiPadを持ち歩いて使用する例も増えているようだ。

 撮影モードは「写真」「スクエア」「ビデオ」「パノラマ」「スロー」「タイムラプス」「ポートレート」(対応モデルのみ)。それぞれのモードをスライド操作で切り替え、上部のオプションを設定して撮影する。スクエアモードは縦横比が1:1のスチル写真を撮影できる点以外、基本的には写真モードと同じだ。「Live Photos」は写真モードのみの対応となる。これは、スチル写真と同時に約3秒の動画を撮り、両者を組み合わせたアップル独自の撮影方法だ。シャッターを切る前後の映像が動画として記録されているため、シャッターチャンスを逃したと思った場面でも、動画の中から良いタイミングの映像が見つかる場合がある。Live Photosを利用したエフェクトも利用可能だ。

 撮影後に写真アプリで縦横比を指定して編集できることを考えると、スクエアモードよりも写真モードでLive Photosを常用する方が融通が利きそうだ。

 iPhoneを含むスマートフォンで撮影した写真に、位置情報が記録されることはご存じだろう。これはiPadも同様だ。