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1.必須科目Ⅰの概要

 必須科目Ⅰの出題内容を資料1に示す。「問題の種類」は、「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力および課題遂行能力である。記述式で2問出題され、1問を選択して600字詰めの答案用紙3枚に記述する。試験時間は2時間なので、時間にはやや余裕がある。

資料1■ 必須科目の試験内容
資料1■ 必須科目の試験内容
(資料:日本技術士会)
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 配点は40点と明示されているが、合格基準は必須科目と選択科目で、それぞれ60%と公表されているので、配点自体に大きな意味はない。

 資料2に必須科目Ⅰの内容を示す。専門知識とは、建設部門全般にわたる知識で、応用能力とは「与えられた条件に合わせて」記述するという意味である。一般論で解答してはいけない。問題文で指定されている条件に沿って記述する必要がある。

資料2■ 必須科目の出題内容の詳細
資料2■ 必須科目の出題内容の詳細
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 例えば、人材不足のテーマで解決策を導く際に「今後、人材は増えない」という条件が提示される可能性がある。この場合は、入職者を増やす方策ではなく、少ない人数でも業務を処理できるような省力化施策を記述することになるだろう。

 問題解決能力とは、文字通り問題点を解決する能力だ。そして、問題点とは理想と現実の差である。ここで、人材不足の観点での問題が出たと想定する。少しずつ増えている建設投資に対してインフラ整備の量を増やしたいという理想がある。

 ところが、人材が不足するので、簡単には実行できない。労働基準法の改正に伴って残業に対する制限も厳しくなっているので、今までと同じような計画での整備は難しいという現実(工期遅延や入札不調など)もある。

 問題解決能力を問う際には「現状では難しい」というテーマで出題される。つまり、現状に問題があるのだ。理想とのギャップを埋める取り組みを進める必要がある。しかし、その取り組みには、いくつもの障害がある。これらが課題だ。これを解決する方法が解決策で、解決策に沿って障害を乗り越えていく能力を課題遂行能力という。この関係を資料3に示す。

資料3■ 問題解決能力と課題遂行能力のイメージ
資料3■ 問題解決能力と課題遂行能力のイメージ
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 評価項目は「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーションの各項目」と定められている。問題をよく読み、題意に沿って技術者としての倫理観を持って自分の意見を記述する──。そんな当たり前の能力が求められていると考えればよい。