建設資材の高騰は、構造物の躯体(くたい)に使用される木材やコンクリートにとどまらない。連載第5回の主役は内装材。かつてない値上げが始まろうとしている。内装材商社大手のサンゲツは、ほぼ全ての製品価格を2022年4月1日の受注分から一斉に値上げする。安田正介社長への取材を基に、内装材高騰の原因をひもとく。
「壁紙なんてどこでも買えると思っている人は多いかもしれないが……」。オンライン取材の画面越しに現れたサンゲツの安田正介社長の声は、言葉遣いこそ冷静だが、奥で熱を帯びているように聞こえた。
壁紙で日本国内のシェア約5割を誇る内装材商社であるサンゲツは、壁紙や床材など同社が取り扱う商品約1万2000点のほぼ全ての価格を、2022年4月1日受注分から18~24%値上げする。同社は21年9月にも13~18%値上げしており、わずか半年でさらなる値上げに踏み切る格好となった。
サンゲツは山月堂商店を設立した1953年以来、今回を含め5度しか値上げしていない。半年間で2度の値上げは異例だ。
安田社長は、三菱商事で機能化学品本部長を務めた化合物のスペシャリストである。常務執行役員を経て2014年にサンゲツ社長に転身。内装材が高騰する現状を、長年、サプライチェーン(供給網)に携わってきた安田社長はどう見ているのか。
値上げが続いた主な理由は原料価格の高騰や物流コストの上昇だが、安田社長への取材から、内装業界が慢性的に抱えている課題も浮かび上がった。