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 三菱地所や竹中工務店など7社が出資して2020年1月に設立した総合木材会社MEC Industry(メックインダストリー、鹿児島県霧島市)。同社は22年5月30日、鹿児島湧水工場が22年6月から本格稼働すると発表した。巨大工場を取材し、その実力をみる。

メックインダストリーの鹿児島湧水工場。写真手前が製材棟、奥の大きな建物が製造棟だ(写真:MEC Industry)
メックインダストリーの鹿児島湧水工場。写真手前が製材棟、奥の大きな建物が製造棟だ(写真:MEC Industry)
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 メックインダストリーは、これまでも21年8月に竣工した製造棟などを稼働していたが、新たに同敷地に製材棟が、鹿児島湧水工場から車で10分ほど離れた場所に鹿児島湧水素材センターが完成した。これにより原木の調達から、製材、木材製品の加工、施工、販売といった、供給網の川上から川下まで一気通貫で担えるようになった。

 鹿児島湧水工場が立つ敷地の面積は約9万1000m2、工場の延べ面積の合計は約2万7000m2だ。同工場は製材棟、製造棟、バークヤード棟、ボイラー棟、オフィス棟、受付棟の計6棟から成る。同工場での原木消費量は平均的な木造住宅2300戸分の木材使用量に相当する年間5万5000m3を見込む。社員約100人が働く巨大木材工場だ。

 工場は次のようなプロセスで稼働する。

 まず鹿児島県、熊本県、宮崎県の森林組合などから原木を調達。鹿児島湧水素材センターに運んで皮をむいて丸太にし、丸太の径ごとに選木する。素材センターから鹿児島湧水工場に丸太を自社で運搬し、製材棟で板材にする。製材ラインの最大処理能力は、丸太ベースで1日当たり約380本に上る。

鹿児島湧水素材センターから運んだ丸太を製材棟で板材に加工する(写真:MEC Industry)
鹿児島湧水素材センターから運んだ丸太を製材棟で板材に加工する(写真:MEC Industry)
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 板材を製造棟でCLT(直交集成材)やツーバイフォー材に加工。CLTは床と天井に、ツーバイフォー材はパネルにして壁に用いて、プレファブリケーション化した戸建て住宅「MOKUWELL HOUSE」を組み立てる。このほか木板をそのまま天井仕上げ材として利用できる型枠材「MIデッキ」も製造する。

壁パネル組み立て機。ツーバイフォー材で壁パネルのフレームを製作し、石こうボードを自動でビス留めする。2022年3月16日に撮影した(写真:日経クロステック)
壁パネル組み立て機。ツーバイフォー材で壁パネルのフレームを製作し、石こうボードを自動でビス留めする。2022年3月16日に撮影した(写真:日経クロステック)
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製造棟で戸建て住宅MOKUWELL HOUSEのユニットをつくる(写真:MEC Industry)
製造棟で戸建て住宅MOKUWELL HOUSEのユニットをつくる(写真:MEC Industry)
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 各工程で発生した樹皮(バーク)や木粉はバークヤード棟で保管した後、バークヤード棟の隣に立つボイラー棟に運び、人工乾燥機や工場内の暖房の熱源として活用する。

ボイラー棟。隣に立つバークヤード棟からダクトを通じて、ボイラー棟の地下にある焼却炉に樹皮を投入する。22年3月16日に撮影した(写真:日経クロステック)
ボイラー棟。隣に立つバークヤード棟からダクトを通じて、ボイラー棟の地下にある焼却炉に樹皮を投入する。22年3月16日に撮影した(写真:日経クロステック)
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