全1547文字
PR

 壁紙で日本国内のシェア約5割を占める内装材商社大手のサンゲツは、壁紙や床材などカーテンを除くほぼ全ての商品の価格を2022年10月1日受注分から7~12%値上げする。22年6月17日に発表した。

サンゲツは2022年10月1日受注分から壁紙や床材などを値上げする(写真:サンゲツ)
サンゲツは2022年10月1日受注分から壁紙や床材などを値上げする(写真:サンゲツ)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は21年9月に13~18%、22年4月に18~24%、商品の価格をそれぞれ引き上げており、およそ1年間で3回の値上げに踏み切る。同社総務部の担当者は、「22年4月の第2次取引価格改定から、これだけ短期間で第3次価格改定を実施しなければならない状況になるのは想定外だった」と話す。同社は山月堂商店を設立した1953年以来、2021年まで3度しか値上げを実施していない。約1年でこれだけ値上げが続くのは異例中の異例と言える。

 3次値上げに踏み切った主な要因は、原料価格の高騰や物流コストの上昇だ。「22年4月に実施した2次値上げ以降も原料価格やエネルギーコストが上がっている」(同社総務部)。ロシアのウクライナ侵攻を背景とした原油高が、長期化する資材高騰に追い打ちを掛けた格好だ。同社は2次値上げをロシアがウクライナに侵攻する前の22年1月に発表しており、その影響を織り込んでいなかった。

 サンゲツは3次値上げ発表に際し、これまで同様に素材メーカーや内装材メーカー、代理店、内装施工業者といった内装業界の供給網を構成する事業者全体の収益改善が重要課題だとしている。3次値上げによって、原料価格が急騰する状況下でも内装業界の収益改善・維持に取り組む考えだ。

 第3次価格改定の値上げ幅はこれまでよりも小さい。サンゲツ総務部の担当者は、「約1年で3度という短期間の値上げが市場に与える影響の大きさを考慮し、値上げ幅は極力抑えた」と話す。

 内装材価格がこれだけ短期間で上昇する状況は深刻だ。異例の事態を招いた大きな要因である原料価格の高騰について見ていこう。