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 「デジタル技術を活用したプロセス改革によって『止まらない工場』を実現し、ロスを低減させる」――。空調製品を生産するダイキン工業の高山正範テクノロジー・イノベーションセンター生産システム革新グループリーダー主席技師は2020年ごろから本格活用しているデジタルツインシステムの狙いをこう説明する。

図 ダイキン工業が構築した、空調機工場のデジタルツイン
図 ダイキン工業が構築した、空調機工場のデジタルツイン
これから生じる作業遅れを予測し表示(画像提供:ダイキン工業)
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 ダイキン工業が大阪府に建造した堺製作所 臨海工場では、デジタルツインの機能を備えた新生産管理システムを開発。工場内の製造設備などにセンサーやカメラを取り付け、それらから取得したデータを基に部品の流れや組み立て、塗装、プレスといった工程の状況を逐次、仮想空間に再現している。

 新生産管理システムの導入後、着実に効果が高まってきた。高山主席技師は「現場改善や生産技術の向上などの効果も含めて、2021年度は導入直後の2019年度と比べ3割強のロス(停滞によって生じた時間やコスト)を削減できる見込みだ」と話す。

図 ダイキン工業が構築したデジタルツインの概要
図 ダイキン工業が構築したデジタルツインの概要
製造現場のデータをフル活用しラインの停滞を予測(画像提供:ダイキン工業)
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 高山主席技師によれば、同工場で製造ラインが停滞する原因には大きく「製造設備の異常」と「作業の遅れ」がある。新システムはこれらの問題にいち早く対応できるよう、製造設備や組み立て作業などの状態を仮想空間に再現し、停滞を事前に予測する。