
限界突破シミュレーション
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シミュレーションが変えるものづくり、新たな挑戦で「限界突破」
製造業にとって、シミュレーションという言葉は、それほど目新しいものではない。この20年ほどで、シミュレーションは研究機関や大企業だけでなく、中小企業にも広く扱いやすいツールとなった。日経ものづくりによるアンケートでは、回答者の65.8%が「シミュレーション活用は拡大している」と答えている。
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「シミュレーション活用が拡大」7割、人材の育成が課題に
数字で見る現場 [調査テーマ:シミュレーションとものづくり]
シミュレーションによって試作・実験ベースの検討は大きく変わる─。コンピューターの能力向上やツールの進化に伴って、ものづくり現場での活用の場が増えてきたシミュレーション。実際、回答者の約7割が「活用が拡大している」と答えた。
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業界横断のMBDでクルマの開発効率化、2030年には全体で活用へ
近年、シミュレーション活用の1つとしてモデルベース開発(MBD;Model Based Development)が注目を集めている。部品やユニットをシミュレーションモデルとして表現し、それらを組み合わせた場合の挙動をコンピューター上で再現する手法だ。
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「京」から「富岳」で限界突破、性能100倍で2日が1時間以内に
「従来は非現実的とされた課題にも取り組めるようになった」。スーパーコンピューター(スパコン)「富岳」を利用したシミュレーションの実証プロジェクトを統括する東京大学生産技術研究所革新的シミュレーション研究センターの加藤千幸氏はこう期待を込める。
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自動車業界が探るスパコン活用、10年先のシミュレーション先取り
「現時点で開発している製品に直結しない将来の課題だからこそ協調できる」─。日本自動車工業会(自工会)が主体となって取り組むシミュレーション課題について、自工会の「デジタルエンジニアリング分科会」の梅谷浩之氏はこう説明する。
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カシオ、弾き心地の定量評価に道筋 鍵盤の変位や反力から予測
電子楽器のキーボードでは、弾き心地をどのように設定すればよいか、メーカーに許される自由度は高い。ピアノの“電子版”である電子ピアノには、グランドピアノやアップライトピアノといった歴史的に弾き心地の基準になる楽器があるのに対し、「(キーボードの)祖先ははっきりとは分からない」(カシオ計算機楽器事業部…
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JFE、位相最適化で変形を抑える新構造 車体全体の挙動を反映
JFEスチールは、自動車の車体の一部を対象としたトポロジー最適化を、車体全体のシミュレーションと関連付ける独自の「JFEトポロジー最適化技術」を開発した。車体全体のシミュレーション結果(車体の構造にかかる荷重の複雑な変化)を考慮することで、トポロジー最適化の精度を高められる。
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NSKのEV向け高速軸受、位相最適化で想像超えた保持器形状を実現
日本精工(NSK)は、電気自動車(EV)など電動車の駆動用モーターの高速回転化に寄与する玉軸受の設計に、トポロジー最適化(位相最適化)を適用した。
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「CFRPはもっと軽量化できる」 豊田中研が異方性の弱点解消
軽量材料として利用が広がっている炭素繊維強化プラスチック(CFRP)。そのCFRPのポテンシャルを最大限引き出す技術を豊田中央研究所(愛知県長久手市)が開発した。シミュレーションを活用して炭素繊維の配向と部品形状を同時に最適化する「異方性トポロジー最適化技術」と、最適化した配向・形状のCFRPを製…
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DMG森、工作機械のテスト加工を仮想化、富岳なら8時間が10分に
DMG森精機は2021年2月から、工作機械のテストカット(テスト加工)をシミュレーションで代替するサービス「デジタルツインテストカット」を始めている。切削抵抗や振動の影響も考慮しながら、切削加工の品質を実機なしで検証可能だ。