わずか1滴の血液や尿などの微量検体から、がんの有無や将来の疾患発生リスクを検査できるようになりつつある。体への負担が少なく手軽に検査できる一方で、新規の分析技術・解析手法に対する不信感や、疾患が見つかった後の対応など解決すべき課題も残る。新型コロナウイルス禍で検査そのものへの関心が高まっている今、微量検体による検査技術の開発動向を追う。

(出所:123RF)
わずか1滴の血液や尿などの微量検体から、がんの有無や将来の疾患発生リスクを検査できるようになりつつある。体への負担が少なく手軽に検査できる一方で、新規の分析技術・解析手法に対する不信感や、疾患が見つかった後の対応など解決すべき課題も残る。新型コロナウイルス禍で検査そのものへの関心が高まっている今、微量検体による検査技術の開発動向を追う。
がんの早期発見への期待から、尿に対する注目度が高まっている。がんが尿のように手軽に採取できる検体から検出できるようになれば、リスクのある人を広く洗い出せる可能性がある。スクリーニング検査を提供する企業は、結果が出た後のフォローにこそ検査の意義があると口をそろえるが、その真意とは何なのだろうか。
健康診断などに必ずといっていいほど組み込まれている血液検査。血液の位置付けはまさに検体の王道と言っても過言ではない。しかし、注射針を刺すことによる痛みや血を抜くことそのものが苦手な人が多いのも事実だ。患者負担を減らすべく微量の血液による検査を目指し、各社が技術を競っている。
低侵襲検査は、唾液のように採取が容易な検体を使ったり、血液のように注射が必要な場合でも検体量を減らしたりすることで実現できる。検体の種類を増やし、かつ必要量を減らす鍵を握るのは、テクノロジーの進化だ。感染症に限らずあらゆる疾患の検査で、低侵襲検査を実現するための技術開発が進んでいる。