2022年3月16日夜に東北地方を襲った最大震度6強の地震が、IT企業にも影響を及ぼしている。翌17日午前時点で、富士通子会社のサーバー工場やNEC子会社の通信機器工場が操業を停止しているほか、NTTデータの一部の顧客向け情報システムが影響を受けている。
富士通は福島県伊達市にサーバーなどを生産する子会社、富士通アイソテックを持つ。同社の本社工場では地震により、建屋の一部で外壁や窓ガラスの破損などが確認された。工場内の安全確認と設備点検のため、17日の操業の停止を決めた。同日午前11時時点で「人的な被害は確認されていない」(富士通広報)という。
NECは通信機器などを生産する子会社、NECプラットフォームズの福島事業所(福島市)と白石事業所(宮城県白石市)において、正午時点で安全確認のため生産ラインを停止している。「安全が確認でき次第、順次復旧作業に入る」(NEC広報)方針だ。また、NECパーソナルコンピュータ(NECPC)の米沢事業所(山形県米沢市)は「空調の配管が外れて漏水するなど軽微な被害はあったが、パソコンの製造ラインなどは17日朝の始業時刻から通常通り稼働している」(NECPC広報)という。
NTTデータは午前11時時点で「自社資産・施設の被害はないものの、一部の顧客向けシステムなどで停電や回線障害などの影響があり対応している」(広報)という。日立製作所は午後1時半時点で、人的被害について「一部軽傷者がいるが、詳細は確認中」(広報)としている。物的被害に関しては、現時点で自動車部品子会社の日立Astemoの福島・宮城にある工場7カ所で被害があり、「現在、被害の程度を確認するとともに、設備点検のため稼働を一時停止している」(同)。
TISは午前11時時点で、グループ会社の従業員に軽傷者が出たことを確認しているほか、グループ会社の仙台市内の事業所で壁に多数の亀裂が入り、複数のパソコンやディスプレーが転倒・故障した。それ以外に影響は出ておらず、「業務への大きな影響はない」(広報)という。日本IBMは「一時的に停電したりエレベーターが止まったりした事業所もあったが、すぐに復旧し、特に大きな影響はなかった」(広報)。野村総合研究所は「事業への影響はない」(広報)としている。
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