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 2022年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震で、仙台市にある仙台城跡の石垣が崩落した。東日本大震災で崩れた範囲の一部が再度被災した。

仙台城跡の本丸北西石垣の被災状況。前を通る仙台市道仙台城跡線の路上に石材が散乱している。2022年3月17日に撮影(写真:村上 昭浩)
仙台城跡の本丸北西石垣の被災状況。前を通る仙台市道仙台城跡線の路上に石材が散乱している。2022年3月17日に撮影(写真:村上 昭浩)
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 仙台市では震度5強を観測。城内で最も格式の高い区画である本丸の北西石垣が延長16m、西側の酉門(とりのもん)跡付近における石垣が延長12mにわたってそれぞれ崩落した。これらの石垣は11年3月の震災でも被災し、本丸北西石垣は15年3月に、酉門跡付近の石垣は14年3月に復旧していた。

 仙台市は東日本大震災で崩れた仙台城跡の石垣を復旧する際、一部をジオテキスタイルで補強したが、今回崩れたのはその対象でなかった箇所だという。

 東日本大震災で崩落した仙台城跡の石垣は他にもあり、総延長は約80mに上る。復旧費用に土塀の修復などを含めると12億円を要した。同城跡は国の史跡に指定されており、災害で壊れた石垣を復旧する際、原則として江戸時代以来の伝統的な工法で元の石材を積み直す必要がある。防災性能を大幅に引き上げるのは難しいのが実情だ。

崩落した本丸北西石垣の石材。2022年3月17日に撮影(写真:村上 昭浩)
崩落した本丸北西石垣の石材。2022年3月17日に撮影(写真:村上 昭浩)
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