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 宮城県や福島県に最大震度6強の揺れをもたらした、福島県沖を震源とするマグニチュード(M)7.4の地震。2021年2月の福島県沖地震などで被災し、復旧したばかりの施設も再び被害を受けた。2度の地震で同様の箇所に損傷が生じた施設については、復旧方法が課題になりそうだ。

 22年3月16日午後11時36分ごろに発生した今回の地震で震度5強を観測した福島県郡山市。郡山市中央図書館では、本棚の転倒や書籍、CDの落下が生じたほか、内壁にクラックが複数箇所発生した。同図書館の二瓶斉館長は「クラックは深いものではなく、表面に生じたようだが、中には長さが数メートルに及ぶものもある」と話す。

郡山市中央図書館では本棚の転倒(右)や蔵書の落下(左)などが発生した(写真:郡山市中央図書館)
郡山市中央図書館では本棚の転倒(右)や蔵書の落下(左)などが発生した(写真:郡山市中央図書館)
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 このほか、階段の踊り場が損傷して破片が落下。揺れで冷暖房設備と天井板がこすれ合い、天井が一部損傷した。また、16~17年の耐震補強工事で設置したブレースと柱の接合部分のコンクリートにもひび割れが生じた。

階段の踊り場に損傷が発生したほか(左)、過去の耐震補強工事で設置したブレースと柱の接合部分のコンクリートにもひび割れが生じた(右)(写真:郡山市中央図書館)
階段の踊り場に損傷が発生したほか(左)、過去の耐震補強工事で設置したブレースと柱の接合部分のコンクリートにもひび割れが生じた(右)(写真:郡山市中央図書館)
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 この図書館では、震度6弱を観測した21年2月の福島県沖地震で正面玄関付近の柱の根元が損傷するなどの大きな被害を受けた。市は21年10月から、天井や外壁の改修や南側テラスへのブレース設置、1階こども図書館の梁(はり)の補強などを含む復旧工事を実施してきた。

 約3億円を投じた工事が終盤に差し掛かり、22年4月8日の全面開館を間近に控えたタイミングで再び被災した。「復旧工事の一環で耐震補強も進めた。職員が見て回った範囲では大きな被害は無いと思うが、専門家の調査でこれから詳細を確認したい」(二瓶館長)

 コンサートホールや展示室、会議室を擁する延べ面積約2万m2の複合施設、郡山市民文化センター(けんしん郡山文化センター)も21年2月の福島県沖地震に続いて被害に見舞われた施設の1つだ。同センター管理課の鈴木典秋課長心得は、「舞台機構(吊り物レールなど)や空調ダクトに被害が出た。具体的に調査しているところだ」と話す。このほか、大ホールで天井パネルや壁面が落下し、ホワイエでは水漏れが発生した。

郡山市民文化センター(けんしん郡山文化センター)の被害。4階機械室の空調用冷温水配管の破断による水漏れ(写真:郡山市)
郡山市民文化センター(けんしん郡山文化センター)の被害。4階機械室の空調用冷温水配管の破断による水漏れ(写真:郡山市)
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