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 2022年3月16日に発生したマグニチュード7.4の福島県沖地震でコンサートホールの天井が崩落した宮城県白石市の文化体育活動センター(ホワイトキューブ)。22年3月31日に日本耐震天井施工協同組合(以下、JACCA)と組合員の桐井製作所(東京・千代田)が合同で、ドローンによる調査を実施した。市は復旧工事に約8億円かかると見込んでいる。

コンサートホールの天井が大規模に崩落したホワイトキューブ。2022年4月22日時点で片付けは済んでおらず、復旧のめども立っていない。22年3月19日撮影(写真:日経クロステック)
コンサートホールの天井が大規模に崩落したホワイトキューブ。2022年4月22日時点で片付けは済んでおらず、復旧のめども立っていない。22年3月19日撮影(写真:日経クロステック)
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JACCAと桐井製作所は2022年3月31日、ホワイトキューブのコンサートホールでドローンを活用した被害調査を実施した(写真:白石市)
JACCAと桐井製作所は2022年3月31日、ホワイトキューブのコンサートホールでドローンを活用した被害調査を実施した(写真:白石市)
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 1997年に竣工したホワイトキューブは、用地取得費や駐車場整備費、パイプオルガンの設置費用などを含め、計約80億円を投じて建設した街のシンボルだ。2022年3月16日以降、東北地方で度々地震が発生したため、市はコンサートホールへの立ち入りを禁止した。このため、しばらく詳細な被害調査ができていなかった。

 こうした状況を聞きつけたJACCAは市に連絡を取り、ドローンを活用して天井面などを調査した。調査の結果、吊(つ)りボルトの定着部から外れて落下してしまった天井部材のほか、野縁受けを固定するハンガーの変形が多数確認された。「崩落のメカニズムは現時点で定かではないが、接合部分に大きな負荷がかかって落下に至ったとみられる」(JACCA)

ドローンで撮影したコンサートホールの様子(写真:白石市)
ドローンで撮影したコンサートホールの様子(写真:白石市)
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落下したコンサートホールの天井材。吊りボルトの定着部から外れている(写真:日経クロステック)
落下したコンサートホールの天井材。吊りボルトの定着部から外れている(写真:日経クロステック)
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ドローン調査の結果、野縁受けのハンガーに大きく変形しているものが多数見つかった(写真:白石市)
ドローン調査の結果、野縁受けのハンガーに大きく変形しているものが多数見つかった(写真:白石市)
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 JACCAは22年4月1日、市に調査データを無償で提供し、改修方法として桐井製作所が開発した「準構造耐震天井工法」を提案した。準構造耐震天井は、支持構造部を介して建物の構造体と天井下地材を直接固定する方法だ。地震が発生しても天井と建物が一体となって動くため、天井面の振動が増幅されず、落下を防ぐことができる。