春になり新しい生活を迎えた人が増えた。中でも新入社員の皆さんは研修などで多くのことを教わっているはずだ。PCやスマートフォンなどのIT機器を利用するマナーも教わったことだろう。
PCやスマホを学生気分で利用すると情報漏洩やSNSの炎上といったトラブルに巻き込まれかねない。この手のトラブルは自分だけでなく勤務先の企業に大きなダメージを与える恐れもある。
この特集では、社員が守るべきITマナーについて解説していく。今回は会社から支給されたPCやスマホなどのIT機器の正しい扱い方を紹介しよう。
当たり前だけどプライベートなことに使わない
会社から支給されるノートPCやスマホなどは、社内データや機密情報が含まれていたり、アクセスできたりするので取り扱いは慎重でなければならない。多くの企業は厳密に利用方法をルール化している。
しかし、常に持ち歩き手元に置いていると、いつしか自分が所有している端末のような感覚になる。自分の端末という感覚が強くなると、ルールで禁止されているプライベート利用を「ちょっとだけ」ならといったんやってしまいがちだ。だんだん慣れてしまいその時間が長くなると、個人のSNSやメールの利用、ECサイトでの売買が当たり前になり、思わぬトラブルにつながる可能性がある。
社員が支給されたPCやスマホで何を閲覧したかといった記録を残している企業は少なくない。もしプライベート利用が会社にバレてしまったら、規則を破ったことで懲戒対象になる可能性がある。プライベート利用が発端で会社を巻き込んだトラブルに発展すれば、その責任も問われる。
また、周囲にプライベート利用をしている人を見かけたら声をかけよう。会社のルールを正しく理解していないケースが考えられる。
支給端末に勝手にアプリを入れたりメモリーを増設したりしない
普段使いのPCやスマホに便利なアプリを入れていると、支給された端末にもついインストールしてしまいたくなる。しかしアプリを勝手に追加するのはNGだ。会社によっては、アプリのインストールや更新は一括管理していたり、インストールしてもよいアプリのリスト(ホワイトリスト)を提示していたりする。
企業がアプリの追加を制限するのには理由がある。その1つがセキュリティー上の懸念だ。アプリにはマルウエア(ウイルス)のような動きをするものが紛れている場合があるからだ。もし外部に情報を送るスパイウエアだったら、情報漏洩などの被害につながる可能性がある。
アプリだけではなく、メモリーの増設やストレージの換装といったハードウエアのカスタマイズも行ってはならない。貸与された端末を少しでも快適に動作するようにしたくなる気持ちは分かるが、ハードウエアをカスタマイズすることで端末が故障する恐れがある。
このように支給された端末を勝手にカスタマイズすることは、ソフトウエア的にもハードウエア的にも厳禁だ。どうしても必要なアプリやハードウエアがある場合は、直属の上司や情報システム管理部門に連絡するなどして許可を得てから実行するようにしよう。
例えばホワイトリストに載っていないアプリでも、業務に役立つものであれば積極的に相談してみよう。上司や管理部門が検討して、許可される場合がある。