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VISION ZERO宣言のすすめ

 日本ではIGSAPがVISION ZEROの普及促進を図るべく、「VISION ZERO宣言」活動を推進している。活動の実践のためには、まず企業のトップ・経営者が積極的に取り組む意欲を示すことが重要で、企業内の多様な部門に積極的な参加・貢献を促していく必要がある。ただし、必ずしもコストがかかるわけではなく、リーダーが重要性を認識し、信頼関係のもとオープンなコミュニケーションができる雰囲気作りをすることが肝要だ。そうしたVISION ZERO宣言により、社内外に対して「安全・健康そしてウェルビーイング」の実現を目指す企業姿勢を強く発信できる*3

VISION ZEROの宣言書
VISION ZEROの宣言書
(出所:IGSAP)
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*3 VISION ZERO宣言は、IGSAPのWebサイト(https://institute-gsafety.com/vision-zero/)から申請書をダウンロードの上、提出できる。

第2回のVISION ZERO SUMMITは日本開催

 VISION ZERO活動の普及のため、19年11月には「第1回 VISION ZERO SUMMIT」が、フィンランドのヘルシンキで開催された。世界の労働安全衛生の専門家が参集する中で、日本からも安全の第一人者である明治大学名誉教授の向殿政男氏やIGSAP会長を始め8人が参加し発表した。この第1回 VISION ZERO SUMMITで、活動のグローバルな連携と拡大の推進のための組織として、世界各国の労働安全衛生機関が参加し、ILO(国際労働機関)が事務局を担当する 「Global Coalition for Safety & Health at Work」が設立された。その中に「Task Group on Vision Zero at the Enterprise Level」(TGVZ:企業レベルでのVision Zeroタスクグループ)が誕生し、このグループに、アジア地区を代表してIGSAP が参加している。

 22年5月には、日本で「第2回VISION ZERO SUMMIT」(VZSJ2022)が開催される。実は、第1回以降の日本の貢献やさまざまな取り組みが世界中の参加者の注目を集め、TGVZから、第2回の日本での開催について強い要請があった。VZSJ2022 のテーマは「ニューノーマルにおける安全、健康そしてウェルビーイング」で、22年5月11~13日の3日間、オンラインでの開催となる。労働安全衛生および協調安全技術などに関する世界的に著名な専門家、グローバル企業のリーダーたちなど、16セッションに41カ国から約190人が登壇する予定だ。

 VZSJ2022では、VISION ZERO の3要素である安全・健康・ウェルビーイングの実践に対する経験の共有や、最新の調査結果の発表と考察、新たなアイデアの公開などのプログラムが準備されている*4

VISION ZERO SUMMITのセッション概要
VISION ZERO SUMMITのセッション概要
(出所:IGSAP)
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 次回は、VISION ZEROの重要な要素である安全における近年の動きである「協調安全・Safety 2.0」の標準化動向について解説する。

*4 VZSJ2022 のホームページ(https;//japan.visionzerosummits.com/ja)では、セッションの内容や講演者を確認できる。