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 サッポロビールは紙の書類も電子で届いたデータも電子データで一元管理するため、JFEシステムズの電子証跡システム「DataDelivery」を導入した。同システムは電子データの検索機能や改ざん防止機能を備える。電子データで届いた請求書はそのまま同システムに保存し、紙の請求書や領収書はスキャンして保存する。

 導入にあたり、以前から利用しているNTTデータ・イントラマートのワークフローシステム「intra-mart(イントラマート)」とDataDeliveryが連携できるようシステムに変更を加えた。例えば請求書処理のワークフローで、入力者や承認者などがワークフローシステムで処理するタイミングに合わせて請求書データにタイムスタンプを押すといった変更だ。領収書などをスマホで撮影して取り込む「スキャナ保存」でも、ワークフローシステムで画像の解像度など電帳法の要件を満たしているか確認できるようにした。

 サッポロビールのように法改正対応と併せ、業務効率を向上すべく紙をスキャンして取り込むことに挑む企業も増えている。兼松もその1社だ。

 同社は会計処理に関わる紙と電子データの両方をシステムに取り込み、電子的に管理する方針を固めている。さらにOCR(光学的文字認識)も活用する。紙でもPDFなどの電子データでも、内容をOCRで抜き出し、人による入力の手間を減らし効率化を狙う。

 ただ、総合商社の特性上、書類の言語が日本語や英語以外にも多岐にわたるところが悩ましいという。複数言語に対応し高精度のOCRエンジンを探し、検証することに時間をかけている。

まとめて外に依頼する方法も

 紙と電子を一元管理しつつ、入力の手間や紙管理の手間も減らす取り組みをしているのが、ドアハンドルの商品企画・販売を手掛けるユニオンだ。

 同社はファブレス経営ということもあり、製造の委託先企業から頻繁に請求書が届く。請求書など支払いを伴うものが月に約300件あり、これまでは紙が7割、電子データは3割だった。

 法改正対応を進めた管理部兼情報システム室の若林慎吾室長は、「法対応のために電子データの部分だけを保存する仕組みを整えても一定数の紙の処理が残り、業務効率向上にはつながりにくい」と振り返る。そこで同社では、紙も含めた処理の仕組みを探した。

 2021年6月に本格導入したのが、Sansanのクラウド請求書受領サービス「Bill One」だった。同サービスでは電子データか紙かを問わず、請求書などの送り先を自社からBill Oneのセンターに変えれば、センターが紙のスキャンや改正法に準拠した電子データの整備を代行し、一元管理できる。

法改正対応と業務改革を合わせて実行した
法改正対応と業務改革を合わせて実行した
図 ユニオンの電子帳簿保存法改正対応前後の業務フロー
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 Bill Oneが持つワークフロー機能で承認作業を行うほか、取り込んだデータを出力・加工して会計システムへ取り込んでいる。若林室長は「承認遅れのアラート通知機能などで、業務の質も向上した」と語る。