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 前回の連載では、文章の主題を先に出す作法を解説した。今回は、主題に位置付けられそうな素材がいくつかあるような場合に、どのように文章を構築するのかを解説する。

 分かりやすい事例として、アンケート結果をテーマにした題材を取り上げる。アンケートを題材とした場合、文章を組み立てる際の素材が似通うケースが少なくない。分かりやすく説明するためには、文章に入れる素材選びが欠かせない。まずは、以下の例文を見てほしい。

<例文1>

 テレワークによって仕事の生産性が「上がった」と感じる人は約2割、「変わらない」と感じる人が約3割、「下がった」と感じる人は約半数となった。○○社が実施した「働き方調査」によって、このような実態が判明した。

 調査は2022年4月に20代以上の就業者を対象にして実施。コロナ禍におけるテレワーク業務の生産性について、職場で仕事に取り組む場合と比べた違いを尋ねた。2022年2~3月におけるまん延防止等重点措置の期間と3月の全面解除後について、それぞれ確認している。

 その結果、重点措置期間中に生産性が「上がった」と答えた人の割合は19.8%だった。重点措置が解除された後の数値にほとんど変化はなく、19.1%だった。

 重点措置期間中の仕事の生産性が「変わらない」と回答した人は、32.6%となった。他方、「下がった」と答えた人の割合は47.6%に及んだ。いずれの回答も、解除後の比率は重点措置期間中とほぼ同じで「変わらない」は33.1%、「下がった」は47.8%だった。

 例文に示された情報を見ると、テレワークが仕事の生産性にもたらす影響という点では、「下がった」と感じている人の方が多い。「下がった」という回答は半数に迫り、「上がった」という回答の2倍以上を占めている。この点を踏まえると、例文には改善すべき部分がある。以下で解説する。