複数の値をまとめて扱う「リスト」
さて、ここからは、複数のデータをまとめて扱う「データ構造」について学んでいきましょう。
データ構造とはどのようなものでしょうか?
身近な例で考えてみると、クラス名簿や商品一覧など、同じ種類の複数のデータがパッと思いつきます。クラス名簿であれば、Aさん、Bさん、Cさん…と、クラスの生徒の名前を1つの名簿にまとめられます。商品一覧であれば、例えば果物という商品一覧を作り、その中に、みかん、リンゴ、バナナ…と果物の種類を1つにまとめられます。
こういう場合、複数の変数を使って商品一覧を作ることもできるのですが、「リスト」というデータ構造を利用すると効率的なプログラムにできます。
リストとは、「変数が複数集まったもの」というデータ構造です。データ構造の「リスト」はコードを表す「リスト」とは別物です。名前が同じですが、注意してください。
リストは図8のように、複数の“箱”(変数)が並んでいるイメージです。リスト内の1つひとつの値を「要素」と呼びます。図8は、要素数が4のリストの例です。
リストを作成する書式は以下です。

リストは変数と同様に、名前(以下、リスト名)を付けて管理します。リスト作成では、まずはリスト名を記述し、続けて代入演算子「=」を記述します。「=」の後ろには、「[ ]」の中に要素の値を記述します。その際、要素の間は「,」(カンマ)で区切ります。なお、「,」の後ろの半角スペースはなくても構いません。
ここでは様々な種類の果物の名称を、「fruits」という名前のリストでまとめてみます。要素は文字列「みかん」「リンゴ」「バナナ」「桃」の4つです。このリストを作成する例がリスト6です。リストfruitsをprint関数で出力すると図9になりました。「[ ]」で囲んだ、リストの書式そのままで出力されています。
リスト内の個々の要素を取り出して処理するには、以下の書式で記述します。

「インデックス」とは、リスト内の要素の順番を示す仕組みです。書式内のインデックスには、「リストの先頭から何番目の要素なのか」を数値で指定します。
プログラミング初心者の方は、ここでも注意が必要です。それは図8のように、先頭(1番目)の要素のインデックスは「0」である、という点です。1から始まるのではないので、間違えないように注意しましょう。インデックスは先頭(1番目)の要素が0なので、2番目の要素が「1」、3番目の要素が「2」と続きます。インデックスの考え方は、ほとんどのプログラミング言語でこれと同じです。