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近年目覚ましい進歩を遂げている人工知能(AI)。その開発用プログラミング言語の事実上の標準となっているのが「Python」だ。この特集では、入門者向けにPythonの基礎を一気に解説する。

 ここからは、Pythonの処理の流れを制御するための文(制御文)を解説します。

 これまで体験してきたように、コードは原則、上から並べて記述した内容が、上から順番に実行されていきます。しかし、これから紹介する制御文を使うと、処理を途中で分けることができたり、同じ処理を繰り返すことができたりなど、「上から下へ順に」以外の流れもできます。これにより、複雑な処理のプログラムを作れるようになります。

 制御文は大きく分けて「分岐」と「反復」の2種類を解説します。また、それらの制御文と一緒によく用いる演算子や関数などもあわせて紹介します。

 最初に「分岐」の制御文を解説します。「分岐」とは、条件が成立する/成立しないに応じて、異なる処理を実行する仕組みです(図6)。

図6●分岐の概念
図6●分岐の概念
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 分岐のコードは、「if」文で記述します。基本的な書式は以下です。

 条件は「条件式」の部分に指定します。「if」の後ろに半角スペースを挟み、条件式を指定します(条件式の書き方はこのあとすぐ解説します)。その後ろに「:」を忘れずに記述します。「処理」のコードは必ずインデントして記述します。

 条件式が成立するならば、「処理」の部分に記述したコードが実行されます。条件式が不成立ならば、何も実行されません。

 プログラム上では、条件式の成立は「True」、不成立は「False」という特殊な値で表されます。これは、「ブール値」という種類の値です。専門用語でTrueは「真」、Falseは「偽」という意味ですが、実用上はTrueは「YES」、Falseは「NO」と大まかに解釈すれば問題ありません。

 条件式は「比較演算子」を使って記述します。値を比較して、条件式が成立するかどうかを判定する演算子です。主な比較演算子は表2のとおりです。

表2●主な比較演算子
表2●主な比較演算子
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 「等しい」の比較演算子は「==」です。「=」(イコール)を2つ並べて記述します。算数や数学の世界では、「等しい」は「=」ですが、プログラミングの世界の「=」は、「等しい」ではありません。「=」は代入です。「等しい」は、Pythonをはじめ多くのプログラミング言語では「==」と記述します。