Linuxでは、実用性の高いソフトウエアを無料で利用できる。そこで「デスクトップ」「文書作成」「インターネット」「マルチメディア」の4つの分野のフリーソフトを30本厳選し、紹介する。
No.13 Apostrophe
書くことに集中できるエディタ(ジャンル:マークダウンエディタ)
ライター 中島 能和
https://world.pages.gitlab.gnome.org/apostrophe/
「Apostrophe」は、シンプルな見た目のマークダウンエディタです。以前は「Uber Writer」という名称でした。「ダーク」「ライト」「セピア」と三つのカラーテーマが用意されているほか、メニューなどを非表示にし、入力中の文章にフォーカスが当たって集中できる「フォーカスモード」、[Backspace]キーや[Delete]キーが効かなくなり、ひたすら書き続けることを強いられる「ヘミングウェイモード」など、書くことに集中しやすいエディタです(図1)。
ApostropheはFlatpakパッケージで提供されています*1。
入力中のマークダウンをリアルタイムで確認できるライブプレビュー機能は強力です。デフォルトの表示は「Full-Width」で、編集中のマークダウンが画面いっぱいに表示されます。「Half-Width」に変更すると左側にマークダウン、右側にプレビューが表示されます(図2)。「Half-Height」にすると上下で分割、「Windowed」にすると別ウィンドウでプレビューが表示されます。
マークダウンファイルから「PDF」「HTML」「ODT(LibreOffice Writer/Microsoft Word)」などの形式で出力できます。「Save」メニューから任意の形式を選択してください。Saveメニュー内にある「Advanced Export...」を選択すると、「ePub」「LaTeX」「Microsoft Word(docx)」などの形式でも出力できます。
マークダウンの形式は、「GitHub Flavored Markdown(GFM)」や「Pandoc Markdown」など5種類から選択できます。ハンバーガーメニューにある「Preferences」で変更できます。
なお、執筆時点では日本語が使われているマークダウンファイルから直接、PDFに出力することができません(英数字のみが出力されてしまいます)。ApostropheでHTMLに出力し、このHTMLから「wkhtmltopdf」コマンドでPDFを生成するのが最も簡単でしょう*2。wkhtmltopdfコマンドは次のようにインストールします。
HTMLからPDFを生成するには、次のように実行します。