Linuxでは、実用性の高いソフトウエアを無料で利用できる。そこで「デスクトップ」「文書作成」「インターネット」「マルチメディア」の4つの分野のフリーソフトを30本厳選し、紹介する。
No.18 Chromium
「Chrome」と同じように利用できる(ジャンル:Webブラウザー)
ターボリナックス 川田 剛史
https://snapcraft.io/chromium
「Chromium」は、主に米Google社が開発/メンテナンスしているオープンソースのWebブラウザーです(図1)。「Goole Chrome」「Microsoft Edge」は、Chromiumのコードに機能を追加してリリースされています。Ubuntuでは「Ubuntu Software」でインストールできます。「chromium」で検索すると見つかります。
見た目や操作性、機能はChromeと同じで、Chromeと同じGoogleアカウントでログインすると、同期するブックマークなどのデータをChromeと共通化できます。このようにChromeと同じように利用できるため、普段はChromeを使いながら、一時的な利用でChromiumを使うといった使い分けができます。
例えば、最近はオンライン会議が一般的になり、Webブラウザーの画面を会議の参加者と共有する機会が増えています。他人に見られたくない履歴やブックマークは誰にでもあるでしょう。また、テスト用途でWebブラウザーを使いたい場合、個人用途とテスト用途で使い分けたいと考えるかもしれません。
履歴を残したくないときは、オプション「--incognito」を指定してシークレットモードで起動させるとよいでしょう(図2)。履歴のほかクッキー、フォームに入力した情報なども、終了時に削除されます。
「~/snap/chromium/」フォルダーを削除すると、キャッシュをすべて削除した状態で起動できます。
テスト用途で便利な起動オプションを表1にまとめました。「--user-agent」は「User Agent」を指定するオプションです。アクセスするWebブラウザーによって処理を変えたいときや、アクセスの統計調査をテストしたいときに使用します。「--renderer-process-limit」は、開けられるタブの数を制限するオプションです。テスト用PCが低スペックなときに有効です。なお、これらのオプションはChromeでも使用できます。