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 不祥事を起こした企業が世間に釈明するために開く記者会見。最悪なのは、ちぐはぐな対応によって事態の沈静化という“成果”を得られず、かえって怒りの火に油を注ぐパターンだ。

 そもそもシステムの障害や不正アクセスに伴う情報漏洩などの問題は、一般にも理解しやすい言葉で丁寧に説明するのが難しい。往々にして記者から似たような質問が繰り返され、会見時間が長引きがちだ。説明者の発言や態度に疲労の色がにじみ、そのことで「責任逃れだ」「開き直っている」などと反感を買ってしまう場面も少なくない。

 こうしたパターンとは逆に、平身低頭の姿勢を徹底することでトラブル発生直後の会見を切り抜けたのがNTTドコモのケースだ。

 同社は2021年10月14日午後5時ごろから15日にかけて、携帯電話回線が全国的につながりにくくなる通信障害を引き起こした。15日午後に開いた会見では、田村穂積副社長ら幹部が記者との質疑応答に対応。その間、「申し訳ございません」と20回以上繰り返した。

大規模障害の説明に際して田村穂積副社長らNTTドコモ幹部は「申し訳ございません」と繰り返した
大規模障害の説明に際して田村穂積副社長らNTTドコモ幹部は「申し訳ございません」と繰り返した
(NTTドコモの会見を日経クロステックがキャプチャー)
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 影響を受けた利用者に対して「このたびはご迷惑をかけて大変申し訳ございませんでした」とわびただけではない。復旧時期や原因究明に関して「もうしばらく時間がかかる見込み」、「もうしばらくお待ち頂ければと思います」と回答する際にも「申し訳ございません」と添えた。質問した記者に対して「説明が漏れていた」「説明のピントがズレていた」ことについても同様に応じた。

 通信や電力、金融などインフラ企業による不祥事は社会影響が大きいこともあり、謝罪会見は荒れ模様になりやすい。記者の厳しい追及が数時間にわたって続くケースも珍しくない。だがNTTドコモの会見では質疑応答は1時間半程度であっさりと終了。深く反省している様子が奏功したもようだ。