半導体不足、ウクライナ危機、米中貿易摩擦ーー。半導体サプライチェーンをめぐる状況は日々刻々と移り変わっている。米国、台湾、中国、欧州、そして日本のサプライチェーンを俯瞰し、半導体分野の潮流と今後をうらなう。

半導体サプライチェーンの研究
目次
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TSMCの独走はまだ続く、IntelやSamsungが追いつけない理由
世界の半導体製造シェアの約半分を握る台湾TSMC(台湾積体電路製造)に、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)や米Intel(インテル)はなぜ追い付けないのか。そのワケを、台湾に拠点を置くアナリスト集団Isaiah ResearchのLucy Chen氏に語ってもらった。
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米中対立で脱中国急ぐ半導体関連メーカー、マレーシアへの投資が加速
米中の対立激化を受け、半導体チップメーカーや、半導体製造装置メーカーが、新たな製造拠点を東南アジアに探し始めた。中国という大消費地に近い上、労務コストが比較的安く、真面目で向上心が旺盛な優秀な労働者がいるためだ。中でも、「今後、半導体生産基地として大きな存在になりそうなのがマレーシアだ」とフロスト…
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政府主導で半導体製造再建目指す欧米 前工程のみの支援に疑問符
米国と欧州がそれぞれ、半導体のサプライチェーンの強靭(きょうじん)化に向けた法案を打ち出し、対策を進めている。背景には、半導体不足に加え、米中対立やウクライナ侵攻など社会情勢が不安定になるなか、半導体生産の大半がアジア地域に偏在していることに対する危機感がある。先端の前工程工場の建設を誘致しつつ、…
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なるかTSMC超え、微細化で苦戦 GAAで挽回狙うサムスン
今や国家の輸出金額の2割を占めるまでに成長した韓国の半導体産業。その中核が、半導体売上高の世界ランキングで首位のSamsung Electronics(サムスン電子)である。
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Appleも依存する独走TSMC、台湾アナリストが語る地政学的リスク
台湾TSMC(台湾積体電路製造)の独走が止まらない。TSMCはどのように工場の設立計画を進め、日々うつろう地政学的リスクに対応しているのか。台湾に拠点を置くアナリスト集団Isaiah Research のVice PresidentであるLucy Chen氏に語ってもらった。
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「日本連合で半導体復権戦略は失敗だった」、経産省幹部が語る次
凋落の続く日本の半導体分野で、経済産業省が復権に動きだした。熊本県への誘致が成功した、台湾TSMC(台湾積体電路製造)の新工場がその皮切りだ。「日本企業にこだわらず、積極的に海外ファウンドリーを誘致する」という戦略で、復権はなるか。経産省の荻野洋平氏に聞いた。