DX(デジタル変革)をけん引する技術として存在感を高める人工知能(AI)。その中核となる機械学習モデルは一度つくって導入すれば終わりではなく、継続して育てることが重要だ。それには、運用保守フェーズで継続的に改良する「MLOps」という取り組みが不可欠である。具体的にどういう組織体制、開発・保守標準、基盤・ツールを整えればよいのか。先行事例や有識者の提言を基に探る。

AIを育てる「MLOps」
目次
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AIを継続改良する「MLOps」、エンジニアの負担をどう減らすか
AI(人工知能)の本番導入後も機械学習(ML)モデルを改良していく「MLOps」を実践するには運用保守プロセスの変革が不可欠だ。エンジニアの負担軽減なくして、改良の継続は不可能である。鍵となる4つのポイントについて解説する。
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三菱ガス化学が腐食診断AIを継続改良、業務を通じて精度高める「HITL」の仕組み
三菱ガス化学はABEJAと組み、化学プラントの配管の撮影画像から表面の腐食部分や腐食の度合いを解析するMLモデルを開発。2022年1月から三菱ガス化学の新潟工場で本格稼働させている。AIの本格稼働後も「HITL(人間参加型機械学習)」というアプローチを用いて継続的に改良している。
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クックパッドがAIの精度を自動監視、MLモデル再学習のトリガーに
クックパッドは料理レシピのWebサービスおよびアプリの幾つかの機能に機械モデルを組み込んでいるほか、ユーザーの投稿コメントなどに不適切な内容が含まれていないか検査する際にモデルを活用している。モデルの精度を自動監視し、精度が下がったことをトリガーとして再トレーニングしている。
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SUBARUがGoogle Cloudに「次世代アイサイト」の開発基盤、自動化した作業とは
SUBARU(スバル)は2020年12月、東京・渋谷にアイサイトに組み込むAI(人工知能)などの研究開発拠点である「SUBARU Lab(スバルラボ)」を開設。これまでアイサイトの研究開発で培った知見を基に、数十人規模のチームが中心となって次世代のアイサイトを開発中だ。次世代のアイサイトには深層学…
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AIを月次更新するヤマト運輸、開発環境を丸ごと本番移行する「コンテナ」の仕組み
ヤマト運輸は機械学習モデルによって配送センターごとの荷物量を予測し、人員やトラックの手配に役立てている。2021年1月に本番導入し、現在は主に月次でモデルを更新している。MLOpsの基盤によってデータの前処理やトレーニングなどを自動化し、新モデルの開発・更新の工数を従来の数分の1に短縮したという。
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日本郵船の異常検知AI、使いながら精度を20ポイント高めた秘訣は「MLOps」
機械学習(ML)モデルは本番稼働させた後、精度が下がっていくケースがある。日本郵船は研究開発子会社のMTIと共同で、モデルを継続的に改良する「MLOps」の仕組みを整えた。人工知能(AI)をビジネスに活用するうえで、MLOpsは必須だ。
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クボタの20個超える機械学習モデル、運用しながら改良する「MLOps」の仕組みとは
「当社が開発・運用している機械学習(ML)モデルは一覧化して把握しており、現在20~30個ほどある。MLモデルの成果が少しずつ見えてきているところだ」。クボタの古谷嘉三グローバルICT本部DX推進部部長は同社におけるMLモデルの取り組みについてこう語る。
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