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機械学習(ML)モデルは本番稼働させた後、精度が下がっていくケースがある。そこでAI(人工知能)によるDX(デジタル変革)で先行する企業の間では、MLモデルを継続的に改良する「MLOps」に取り組むケースが相次いでいる。AIをビジネスに活用するうえでMLOpsは必須だ。

 三菱ガス化学はAIスタートアップのABEJAと組み、化学プラントの配管の撮影画像から表面の腐食部分や腐食の度合いを解析するMLモデルを開発。2022年1月から三菱ガス化学の新潟工場で本格稼働させている。

三菱ガス化学の研究開発拠点の1つ、新潟研究所(N-SEQ棟)(写真提供:三菱ガス化学)
三菱ガス化学の研究開発拠点の1つ、新潟研究所(N-SEQ棟)(写真提供:三菱ガス化学)
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図 三菱ガス化学の配管腐食検査モデル
図 三菱ガス化学の配管腐食検査モデル
MLモデルでガス配管の腐食検査(写真提供:三菱ガス化学)
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 新潟工場は海に面しており配管が腐食しやすい。従来はプラントの職員がプラント内を回って撮影した配管の写真を基に、熟練の保守員が配管表面の腐食度合いを解析していた。だが配管の写真の数が膨大で、保守員の業務負担が大きいことが課題だった。腐食診断のモデルにより、新潟工場の腐食検査の作業量を半減させたという。