2022年5月10~13日に、自動車メーカー7社が21年度通期(21年4月~22年3月)の連結決算を発表する。新型コロナウイルス感染症の拡大による部品不足によって、各社は同期に断続的な減産に追い込まれた。ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格のさらなる高騰といった減益要因もある。各社はこうした逆風にどこまで対応できたか。これが21年度通期決算の焦点である。

自動車7社の21年度決算
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構造改革が進むマツダ、販売減も4年ぶりの増益
マツダは2022年5月13日、21年度通期(21年4月~22年3月)の連結営業利益が1042億円だったと発表した。半導体を中心とする部品供給不足による販売台数の減少や、原材料価格の高騰といった逆風の中、4年ぶりの増益となった。
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ホンダの四輪事業、生産能力の8割販売でも「利益を出せた」
収益の確保で苦しんできたホンダの四輪車事業に、改善の兆しが見えてきた。同社専務の水野泰秀氏は2022年5月13日に開いた21年度通期(21年4月~22年3月)の連結決算会見で、「生産能力に対して80%の販売台数で利益が出るようになった」と明かした。ただし、22年度通期(22年4月~23年3月)は原…
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スバル、国内の生産体制を再編 27年以降にEV新工場を稼働
SUBARU(スバル)は2022年5月12日、電動車両の生産拡大を目指して、国内の完成車工場の生産体制を再編すると発表した。25年を目標に電気自動車(EV)の自社生産を開始し、同社群馬製作所(群馬県太田市)の矢島工場で、ガソリン車などと混流生産する。27年以降には、エンジンと変速機を生産する大泉工…
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日産の21年度連結決算、販売台数減も販売の質向上などで黒字化
日産自動車は2022年5月12日、21年度通期(21年4月1日~22年3月31日)の連結決算を発表した(図1、2)。販売台数は387万6000台と前年度比4.3%減にとどまった。だが、積極的な新車投入による付加価値向上とそれに伴う販売価格の適正化といった販売の質向上によって1台当たりの売上高を改善…
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スズキ、半導体調達に改善の兆し 22年度の売上高は過去最高へ
スズキは2022年5月11日、22年度通期(22年4月~23年3月)の売上高が過去最高の3兆9000億円になる見通しを発表した。車載半導体の不足が続く中、スズキは同部品の調達を改善しつつあり、販売台数(四輪車、以下同じ)は前年度からの回復を見込む。
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トヨタ、資材高騰の影響は1兆4500億円に 「材料の変更進める」
トヨタ自動車は、資材価格の高騰が2023年3月期の営業利益を1兆4500億円引き下げると試算した。これにより、過去最高を記録した22年3月期の業績から減益に転じると予想する。
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三菱自動車の21年度決算、収益は回復軌道へ
「収益は回復軌道に乗っている」。三菱自動車は2022年5月10日、21年度(21年4月1日~22年3月31日)の連結決算を発表した。売上高は2兆389億円(前年度比40.1%増)、営業利益は873億円(同1826億円増)、売上高営業利益率は4.3%(同10.8ポイント増)、販売台数は93万7000…