マツダは2022年5月13日、21年度通期(21年4月~22年3月)の連結営業利益が1042億円だったと発表した。半導体を中心とする部品供給不足による販売台数の減少や、原材料価格の高騰といった逆風の中、4年ぶりの増益となった。
「構造改革により、稼ぐ力が強化されつつある」。マツダ社長の丸本明氏は同日の決算会見でこのように述べ、同社の収益体質改善への手応えを示した(図1)。
その成果を見て取れるのが、損益分岐点台数(営業利益を確保できる出荷台数)の推移だ(図2)。工場の設備や生産効率の改善により固定費や原価の低減を推し進め、25年度に同台数を100万台とする目標を、21年度に前倒しで達成した。
固定費の抑制や生産効率の改善などは、223億円の増益要因になった(図3)。原材料価格や半導体コストの高騰が950億円の減益要因となったが、単価の改善や販売費用の抑制などによって相殺した。
21年度の世界販売台数は、半導体不足や新型コロナウイルスの感染拡大による減産の影響で、前年度比3%減の125万1000台となった(図4)。地域別では前年度に比べ、北米や欧州で増えたものの、日本や中国で大幅に減らした。売上高は、前年度比8%増の3兆1203億円だった。