世に飛び交う土木の話題はマイナスのものが多い。そんなときだからこそ、土木の素晴らしさをお伝えして、土木の価値を見つめ直したい。完成した土木構造物やインフラの魅力を、写真や動画、図版で紹介する。

土木のチカラ 詳細版
目次
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京都・嵐山に「目立たない止水壁」、改修後も変わらない眺望
嵐山地区・桂川左岸の可動式止水壁(京都市)
新型コロナウイルス感染対策のマスク着用が個人の判断に委ねられて1カ月後の2023年4月、京都・嵐山地区は観光客でにぎわっていた。桂川に架かる渡月橋の上流左岸側では、川を見ながら散策する人が目立つ。
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生まれ変わった下北沢、小田急線路跡地がシームレスな緑の空間に
小田急電鉄線路跡地の街づくり(東京都世田谷区)
「シモキタじゃないみたい」。東京都世田谷区にある小田急電鉄の下北沢駅南西口を出てすぐの場所に、緑に囲まれた遊歩道と野原が広がる。都市にある駅前広場とは思えない光景に、現地を訪れた人が驚いていた。
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獺祭と隈研吾氏が災害復旧でコラボ、空想上の生き物みたいな橋
久杉橋(山口県岩国市)
計1266本のヒノキ材が壁高欄をすっぽり覆った独特な橋が、山口県岩国市に誕生した。ヒノキ材の醸し出す柔らかな雰囲気と、橋に近づくにつれて見え方が変化する力強さが同居している。2018年の西日本豪雨で被災し、県が22年7月に新たに架け替えた「久杉橋」だ。
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市道に“浮かぶ”楕円の歩廊、ガラスのみの壁から街を一望
アクティブリンク(札幌市)
開発のつち音が響く新さっぽろ駅周辺地区(札幌市)で、市道に“浮かぶ”楕円形の物体が新設された。2022年7月に供用開始した空中歩廊の「アクティブリンク」だ。
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自然に同化した散策路、使いながらつくり続けた17年
記紀の道(宮崎県西都市)
のどかな田園風景の中を、昔からそこにあったような小道が続いていく。日本最大級の古墳群を有する宮崎県西都市が、17年の歳月をかけて整備した逢初川(あいそめがわ)歩行者専用道路「記紀の道」だ。
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通学路としてよみがえった“ぐるぐる階段”の歩道橋
笹川パークブリッジ(三重県四日市市)
2022年5月、三重県四日市市の笹川環状1号線で分断されていた2つの公園をつなぐ歩道橋が架かった。「笹川パークブリッジ」だ。らせん状の斜路付き階段を2周回って上り下りする。その形状から地元の子どもたちからは、“ぐるぐる階段”という愛称で親しまれている。
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約100年前のケーブルで吊り続ける美濃橋、修復工事で外観を維持
岐阜県美濃市を流れる長良川に、“百寿”を超えるケーブルの吊り橋が架かっている。市の10年近い修復事業期間を経て、2021年3月に供用を再び開始した美濃橋だ。緑の山並みに映える赤い補剛桁が特徴的だ。
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「彫刻」がベンチやテーブルになる、過ごし方を自由に選べる広場
阪急神戸三宮駅前広場「さんきたアモーレ広場」(神戸市)
空中に飛び出た座面で読書をする人がいれば、中央が膨らむ楕円体に寝転ぶ人もいる。阪急神戸三宮駅前に2021年10月、リニューアルオープンした「さんきたアモーレ広場」だ。彫刻のような造形物がベンチやテーブルとして機能する。