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 岐阜県美濃市を流れる長良川に、“百寿”を超えるケーブルの吊り橋が架かっている。市の10年近い修復事業期間を経て、2021年3月に供用を再び開始した美濃橋だ。緑の山並みに映える赤い補剛桁が特徴的だ。

美濃橋周辺の風景。2022年5月末に撮影(動画:大村 拓也)
2021年3月に修復工事が完了した岐阜県美濃市の「美濃橋」。補剛桁や主塔を補修したほか右岸のアンカレイジ付近を補強した(写真:大村 拓也)
2021年3月に修復工事が完了した岐阜県美濃市の「美濃橋」。補剛桁や主塔を補修したほか右岸のアンカレイジ付近を補強した(写真:大村 拓也)
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 美濃橋の架橋は1916年。国内に現存する近代吊り橋としては最古だ。補剛桁はダブルワーレントラス形式。上弦材と吊り横桁を斜材でつなぐ。

補剛桁はダブルワーレントラス。上弦材と吊り横桁を斜材でつなぐ。塗装の色は過去に数回変えている(写真:大村 拓也)
補剛桁はダブルワーレントラス。上弦材と吊り横桁を斜材でつなぐ。塗装の色は過去に数回変えている(写真:大村 拓也)
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 修復前は補剛桁の腐食など、老朽化が目立っていた。2003年に国の重要文化財に指定されており、修復工事では100年以上、供用し続けてきた橋の構造形式や外観をできるだけ残すことが大命題となった。

修復前。主塔や補剛桁の老朽化が目立っていた。1975年に岐阜県から市に移管(写真:美濃市)
修復前。主塔や補剛桁の老朽化が目立っていた。1975年に岐阜県から市に移管(写真:美濃市)
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 設計・監理は文化財保存計画協会(東京・千代田)が、設計協力は大日本コンサルタントがそれぞれ担当した。

 市は04年に「美濃橋修復・活用計画検討委員会」を設立し、06年に修復・活用計画を取りまとめた。予算確保にめどが立ち、市が基本設計に着手したのは12年のこと。建設当時の図面が現存しないことから、詳しい現地調査による構造解析や耐震診断と、それらに基づく修理・補強方針の検討から作業を開始した。

 美濃橋の設計・監理を10年近く担当した文化財保存計画協会の崔静妍(チェジョンヨン)主任研究員は、次のように話す。「美濃橋では建設当時のケーブルや補剛桁が1世紀以上を経た今も、現役で使われ続けている。歴史的な価値が高いことから、従来の構造システムを生かし、部材も極力、再利用した」

 改修履歴や細かな部材の変遷履歴を調べるなどして、文化財としての価値を確認。橋の色については、1970年代に銀から青へ、83年に青から赤へと、次々に塗り替えられていたことが判明した。

 何度か改修が繰り返される中で、40年近く続いた赤い美濃橋。長良川と赤色が織りなす美しい景観を維持することが重要だと考え、修復工事では、現代の橋の姿を保存することにした。

美濃橋は、橋長113m、径間長116m、幅員3.1m(有効幅員2.9m)の単径間補剛吊り橋。鉄筋コンクリート造の主塔は炭素繊維補強した(写真:大村 拓也)
美濃橋は、橋長113m、径間長116m、幅員3.1m(有効幅員2.9m)の単径間補剛吊り橋。鉄筋コンクリート造の主塔は炭素繊維補強した(写真:大村 拓也)
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