全2284文字

 MaaS(Mobility as a Service)/自家用車における自動運転の高度化や、将来の交通事故死者ゼロに向けた取り組みが加速する中、改めて熱い視線が注がれているのが、V2X(Vehicle to Everything)通信である。車車間(Vehicle to Vehicle、V2V)、歩車間(Vehicle to Pedestrian、V2P)、路車間(Vehicle to Infrastructure、V2I)、クラウド-車両間(Vehicle to Network、V2N)で通信を行うことで、より安心・安全・快適かつ環境に優しい移動が可能になるとみられるからだ注)

注)狭義のコネクテッドは、一般的にはV2N通信を意味しており、V2V通信、V2I通信、V2P通信も含むV2X通信はそれとは違う。

 実際、専門家は、「自動運転車の安全・円滑な運行にはV2X(通信)が有効だと考えている」(トヨタ自動車コネクティッド統括部ITS推進室室長の山本 信氏)、「交通事故死者ゼロに向け、(V2X)通信は重要なツールになる」(ホンダ経営企画統括部安全企画部部長の高石秀明氏)と語っている。

 もっとも、V2X通信が切り開く未来は、「交通事故を極限まで減らし、誰もが行きたい場所に安心・安全・快適に移動できる社会」だけではない(図1)。V2X通信から得られる交通関連データと、スマートフォンなど都市生活インフラから得られる人流や嗜好などの生活関連データ(都市サービスデータとも呼ばれる)を組み合わせる。そうすることで、利便性の高い様々なサービスを実現できる可能性がある。V2X通信は、そんなサービスを享受できる社会を生み出す原動力になり得る。

図1 V2X通信が切り開く未来
図1 V2X通信が切り開く未来
「高自由度移動リスクレス社会」と「高利便性社会」は本稿における造語。前者は「交通事故を極限まで減らし、誰もが行きたい場所に安心・安全・快適に移動できる社会」、後者は「交通関連データと生活関連データを連携させた様々な利便性の高いサービスを享受できる社会」を指している。(画像左:トヨタ自動車、画像右:RoAD to the L4キックオフイベント説明資料、画像以外は日経クロステックが作成)
[画像のクリックで拡大表示]