IT企業の就職人気ランキングを分野別・志望理由別も含めて2回にわたって紹介する。学生が抱える不安を払拭しようとする企業が躍進。入社後の育成策を講じる企業や安定性の高い企業も支持を集めた。
「楽天みん就」と日経コンピュータは、2023年4月に入社予定(23年卒採用)の学生を対象に「IT業界就職人気ランキング」調査を実施した。
その企業を志望する学生の得票が多い順に並べた総合ランキングを見ると、首位はNTTデータだった。2位は楽天グループ、3位は伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が入り、富士通とヤフーが続いた。
首位NTTデータはインターン重視
NTTデータは調査開始以来、13年連続で首位になった。ITサービス企業最大手の知名度に加え、丁寧な採用活動がその人気を支えている。その中心となるのが、夏や冬に実施しているインターンシップだ。主に23年卒生が参加した直近の2021年度のインターンシップでは夏冬合わせて730人ほどを受け入れた。2022年度には800人規模に拡大する計画だ。
理系学部がある主要な大学には、その大学専属のリクルーターチームを設けていたり、OBOG訪問ができる学生用アプリに社員が登録し、NTTデータでの働き方を気軽に聞ける環境を整えたりと、社を挙げて人材の獲得に取り組む。
今回はCTCがトップ3に入った。学生の立場に配慮した採用姿勢を明確に打ち出したことがより上位に食い込んだ要因だ。例えば面接はオンライン一辺倒ではなく、学生の希望に合わせて対面とオンラインから選択できるようにしている。募集コースにおいても、23年卒採用からAI(人工知能)やセキュリティーといった分野へ配属となる「Techアビリティ」、人事や総務、経理などスタッフ部門へ配属になる「コーポレート」の2つを新設した。これまで以上に細かく配属先を選べるようにして学生の不安を軽減している。